ツマグロヒョウモン

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ツマグロヒョウモン

学名:Argyreus hyperbius

今回は豹柄の蝶、ツマグロヒョウモンについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

ツマグロヒョウモンはタテハチョウ科に属しており、その中のドクチョウ亜科、ヒョウモンチョウ族に分けられています。

ヒョウモンチョウ族の仲間にはヒョウモンチョウ(ナミヒョウモン)・ギンボシヒョウモンなど多数存在します。

生態

4 – 11月頃まで見られ、年に4 – 5回発生する多化性です。他のヒョウモンチョウ類がほとんど年1回しか発生しないのに対して、多化性という例外的な種類です。

生息域

平地の草原や庭・公園・市街地などヒョウモンチョウ族の中では最も広く見られます。インド、オーストラリア、中国、朝鮮半島、日本までの南アジア、東南アジアの熱帯・温帯域に広く分布します

この分布域は他のヒョウモンチョウ族が温帯から寒帯にかけて分布するのとは対照的です。

日本では本州・四国・九州・沖縄・南西諸島で見られます。本州では近畿地方でしか、見られませんでしたが、徐々に北上し生息域を広げています。

関東地方や北陸地方でも見られるらしいよ
イモチャン
本州でも普通種として定着しつつあるようです
シロヒトリ

成虫

アサギマダラは日中に活動し、コスモスやセイタカアワダチソウなどの花に集まり、吸蜜します。

ひらひらと舞いながら旋回するように飛び回る。

翅を開張すると5 – 7cm前後になる。 冬は幼虫や蛹で越冬する。

蛹は尾部だけで逆さ吊りになる垂蛹型で背面に金色の突起が並びます
シロヒトリ

幼虫

幼虫の体色は黒地の背中に赤い一本のラインが縦に走っている。体には棘状の突起が各節に6本ずつあります。

食草はスミレ科で園芸種のパンジーやビオラなどを食べる。

毒々しい見た目をしているけど毒はないよ!
イモチャン

成虫の見た目

オス

ツマグロヒョウモンのオス
裏側

オスの翅の表側はヒョウモンチョウ族の典型的な豹柄ですが、後翅の外縁が黒く縁取られるので他種と区別できます。

メス

ツマグロヒョウモンのメス

メスは前翅の先端部が黒地で白い帯が横断し、黒い斑点が散る豹柄です。

また、前翅の根元側の地色はピンク色をしています。

メスの方が色が鮮やかだね
イモチャン
和名通り、オスメスとも後翅が黒く縁取られているのが特徴です
シロヒトリ

擬態

ツマグロヒョウモンのメスは鮮やかな模様・色をしていますが、これは有毒の蝶、カバマダラの擬態をしています。

前回の記事で紹介した「ベイツ型擬態」です。

日本での擬態

しかし、カバマダラは日本では迷蝶とされています。南西諸島では出現することがありますが、本土では非常に珍しいのです。

つまり、日本においては擬態のモデルであるカバマダラと一緒に見られる場所はなく、擬態として機能していない可能性があります。

日本では擬態として機能していないんだね
イモチャン
インド・オーストラリアなどでは生息域が一緒なので、擬態として機能しています
シロヒトリ

まとめ

ヒョウモンチョウ族は似たような模様が多く、さらにオスメスの区別も困難な種類が多いので、非常に見分けにくいです。

しかし、翅の裏側を見ればある程度は区別できます。

今回のツマグロヒョウモンはオスメスの違いがはっきりしているので判別できます。

私は北陸地方に住んでいるのですが、普通にツマグロヒョウモンが庭で飛んでいます。

ツマグロヒョウモンは生息域を広げているようです。

黒い縁とピンクが鮮やかでいいですね
シロヒトリ
次回はライムオオスカシバについて紹介するよ!
イモチャン

白氷蛾

シロヒトリです。2019年から切り絵作家として活動しています。 昆虫や切り絵や和柄などが好きな蛾です。