キアネハレギチョウ
学名:Cethosia cyane
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:一年中
- 分布:東南アジア
生態
季節を問わず、普通に見られる種です。
生息域
インド南部、中国(南部雲南省)、インドシナなどの東南アジアに生息しています。
森林、庭、放牧地などの空き地に生息しています。
成虫
キアネハレギチョウは日中に活動し、ランタナなどの花に集まり、吸蜜します。翅を開張すると7 – 8cm前後になります。
幼虫が毒のあるトケイソウ科を食べるので、毒を体内に蓄えていて、鳥などに捕食されるのを防いでいます。
幼虫・成虫の派手な模様は自分に毒を持っていることを知らせる、警戒色をしています。
幼虫
幼虫の体色は黒色で、体の節ごとに黒い棘があります。また、体の節ごとに赤、黄色、黒の縞模様をしています。
食草はパッションフラワーなどのトケイソウ科の植物を食べます。
トケイソウ科植物にはアルカロイドが含まれており、成虫になった後も毒として機能しています。
成虫の見た目
キアネハレギチョウは表側と裏側で模様が大きく違いがあります。
表側はカバマダラに似た姿をしています。前翅は黒い縁取りで白い斑点があります。体の内側がオレンジ色をしています
裏側は「晴れ着」と称されるほど、鮮やかな模様をしています。黒、オレンジ色をベースに水色、ピンク、白が混じりあった複雑な模様をしています。
また、メスは全体的に色が薄めで、オレンジ色の部分が黄色です。
ハレギチョウ属とは
ハレギチョウ属は表側と比べて、裏側の模様が鮮やかなのが特徴です。
主に東南アジア、オーストラリアに生息している蝶です。この属はまだ、研究が進んでいないのか、情報が少ない蝶です。
全体的に赤やオレンジなどの暖色系の色の蝶が多いですが、中には青色や紫色などの寒色系の色の蝶がいます。
色ごとに分けると次のようになります。
- ベニハレギチョウ(Cethosia biblis) 赤
- キアネハレギチョウ(Cethosia cyane) 黄またはオレンジ
- モトキハレギチョウ(Cethosia lamarckii) 青
- ホソバハレギチョウ(Cethosia myrina) 紫
中でも、モトキハレギチョウとホソバハレギチョウはハレギチョウ属で唯一の寒色系の色を持つ珍しい蝶です。
まとめ
キアネハレギチョウはハレギチョウ属のなかでもピンクや水色が混ざった模様が特徴的です。
ハレギチョウ属は一覧を眺めるだけでも、楽しい蝶です。