ミカドアゲハ
学名:Graphium doson
- 分類:アゲハチョウ科
- 前翅長:4 – 5cm前後
- 時期:4 - 9月
- 分布:東・東南アジア
生態
1年に1 – 3回発生する多化性です。
生息域
インド、スリランカ、ミャンマー、カンボジア、中国、台湾、韓国、ベトナム、日本、フィリピン、スマトラ、ボルネオなど主に東・東南アジアに生息しています。
日本では本州・四国・九州・南西諸島などに生息している南方系の蝶です。
森林地帯、川岸などに生息しています
成虫
ミカドアゲハは日中に活動し、様々な花から、吸蜜します。翅を開張すると7 – 8cm前後になります。
強力な飛び方をし、敏捷で飛翔力が高く、樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回っていることが多いです。また、アゲハチョウ科の中でも飛翔力が高いのが特徴です。
他のアオスジアゲハ属と同じく、オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。
まず、口吻を使用して、ナトリウムや他のミネラルを抽出する水を絶えず吸い上げます。オスは絶えず体から水を汲み上げ、余剰分を肛門から排出し、それを使用して地面からさらにミネラルを溶解し、再吸収します。
幼虫
成熟した幼虫は体色が緑色または褐色で、黄色と黒の目玉模様の中心に青色の棘があります。気孔は白と黒色です。体の下側に白のラインが走っています。
頭部には短い青色の角があります。臭角は青みがかった緑色です。
食草はオガタノマキ、タイワンオガタマなどのモクレン科の植物を食べます。
成虫の見た目
ミカドアゲハは青い帯模様が不規則でまだらであることが特徴です。この模様には鱗粉がなく、鮮やかな青色で透き通っています。
翅の表側の模様は青い帯模様が不規則でまだらになっており、アオスジアゲハよりも青色の模様の数が多いです。
翅の裏側は表側より青い模様がかなり薄めで、体の内側と縁に赤い斑点と線が混ざります。
翅の模様はオスメスともによく似ているため、性別は生殖器で判断できます。
ミカドアゲハの赤斑型と黄斑型
ミカドアゲハは14種の亜種に分かれていて、日本に生息しているのは「G. d. perillus」(八重山亜種、赤斑型)、「G. d. albidum」(本土亜種、黄斑型)です。
赤斑型は翅の青色の模様と内側の赤い斑点が特徴です。
黄斑型は翅の黄色または白の模様とオレンジの斑点が特徴です。
比べて見てみると色が異なる以外は体や模様の形状は同じです。亜種として全体的に見ると赤斑型が多いです。
まとめ
ミカドアゲハを漢字では「帝揚羽」といいます。
また、本種の和名は当初命名された学名 「Papilio mikado」に由来しますが、この学名の命名由来については諸説があります。
1994年(平成6年)4月25日発売の15円普通切手の意匠になるなど日本になじみ深い蝶です。