アオタテハモドキ
学名:Junonia orithya
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:3 - 11月
- 分布:アフリカ・東南アジア
分類
アオタテハモドキはタテハチョウ科に属しており、その中のタテハチョウ亜科に分けられていてます。
タテハチョウ亜科のタテハモドキ属に分けられています。
タテハモドキ属はナンベイタテハモドキ・ルリボシタテハモドキなど多数存在します。
生態
1年を通じて数回発生を繰り返す多化性です。時期は3 – 11月ですが、1年中見られる地域もあります。
生息域
南アジア、東アジア、東南アジアなど主に東南アジアなどの広い範囲に生息しています。
また、アフリカではサブサハラアフリカの地域、オーストラリアなどにも生息しています。
日本では沖縄、八重島列島などの南西諸島に生息しています。九州などでも見られることがあるようですが、定着しているかは不明です。
草原、農地、沿岸、サバンナに生息しています。
成虫
アオタテハモドキは日中に活動し、様々な花から吸蜜します。 オスは腐った果物の汁も吸います。
日光が当たる草原で飛んでいる蝶で、時々地面や草に止まり日光浴をします。自分の縄張りを持っていて、縄張りに入った他の蝶を追い払います。
翅を開張すると5 – 6cm前後になる、中型の蝶です。
幼虫
成熟した幼虫の体色は黒色で、黄色の斑点がありその斑点から枝分かれした黒い棘があります。疣足は黒色です。
頭部は黄色で、二対の黄色の角が生えています。
食草は広食性で様々な植物を食べます。主にキツネノマゴ科、オオバコ科、クマツヅラ科、ゴマノハグサ科、ベンケイソウ科の植物を食べます。
成虫の見た目
アオタテハモドキは後翅の青い模様と眼状紋が特徴的です。
翅の表側は茶色で、内側が黒色になっています。前翅の茶色の部分には2つの眼状紋があります。眼状紋は中心から青、黒、黄色になっています。黒色の部分の上部には赤と青の小さな縦模様があります。
日本などに生息している亜種「J. o. orithya」には赤と青の小さな縦模様が無い場合があります。
後翅は青色で外縁は茶色です。青色の部分には2つの眼状紋があります。外側の眼状紋は黒色で内側の眼状紋は赤色が特徴的です。
翅の裏側は表側と大きく異なります。色は翅全体がベージュ色になり、前翅にはオレンジ色の縦模様があります。前翅後翅ともに眼状紋があり、中心から青、黒、オレンジになっています。
上記の特徴は全てオスの特徴です。
メスは青色の部分が少なく、全体的に茶色が目立ちます。
タテハモドキ属の系統
タテハモドキ属の祖先はアフリカで生まれたと考えられています。
季節風などの風に乗ってアフリカからアジアに拡大し、その後アジアからオーストラリアや南アメリカなどに拡大した可能性があるといわれています。その流れで多くの種族に分かれたと考えられています。
実際にタテハモドキ属は草原などの開けた場所を好むため、風に流されやすい蝶です。
例えば、日本ではアオタテハモドキは南西諸島に生息していますが、迷蝶として関東地方で発見されたことがあります。
このように、風などで飛ばされた地で環境に適していれば定着していったと考えられます。また、広食性であることも広い範囲に適応できる理由といえます。
まとめ
タテハモドキ属はオスメスの識別が難しい蝶ですが、アオタテハモドキは比較的識別しやすい蝶です。