ルリタテハ
学名:Kaniska canace
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 4cm前後
- 時期:3 - 4月、6 - 11月
- 分布:東アジア・南アジア
生態
1年に暖地では2 – 3回発生し、寒冷地では年に1回発生する多化性です。
生息域
日本、朝鮮半島、台湾、中国、ロシア沿海地方、インド、フィリピン、スマトラ島、ジャワ島など主に東アジア・南アジアに生息しています。
日本では北海道・本州・四国・九州・南西諸島まで広く分布しています。
森林、庭、都市部、公園などに生息しています。
成虫
ルリタテハは日中に活動し、木の樹液や糞から汁を吸います。冬も成虫で越冬します。
オスは縄張りを持つ習性があり、木の葉や岩石の上など見晴らしの良い場所で翅を広げて止まり、見張っています。
他のオスが接近すると激しく追い立てます。
翅を開張すると6 – 7cm前後になる、中型の蝶です。
幼虫
成熟した幼虫の体色は紫がかった黒色で、オレンジと黒の縞模様があります。
体中白色の棘で覆われています。棘の先端部分は黒色です。この棘に毒はありません。
食草はサルトリイバラなどのサルトリイバラ科、ホトトギス属などのユリ科の植物を食べます。これらの植物の葉裏で生活します。
成虫の見た目
ルリタテハは和名通り、美しい瑠璃色の帯模様が特徴的です。
表側の翅の下地は黒色で前翅の先端部には白い斑点があります。オスメスともに翅の模様に差はありませんが、メスの方が翅と瑠璃色の帯が幅広くなる傾向があるようです。
翅の裏側の模様は表側と大きく異なります。
翅の裏側は樹皮や木の幹にそっくりで、翅を閉じると樹皮や木の幹にカモフラージュします。
翅の外縁は他のタテハチョウ亜科と同様に小さな凹凸があります。
提督の名を持つ蝶
タテハチョウ亜科のタテハチョウ族(Nymphalini)の一部の蝶は「admiral」(提督)と名付けられています。「admiral」はイギリスの海軍の提督という意味です。
イギリス海軍のエリザベスI世(1558年から1603年)の治世中に艦隊を分割する、3つの中隊艦隊の色を発足しました。
提督には3つのクラスがあり、色付きの旗を使用して区別しました。 この色別戦隊の区分制度は1625年から1864年まで続きました。
リストにすると次のようになります。
- 赤色艦隊(主隊)Admiral of the Red
- 白色艦隊(前衛隊)Admiral of the White
- 青色艦隊(後衛隊)Admiral of the Blue
ルリタテハは英名では「blue admiral」(青い提督)と呼ばれています。
色別艦隊の中で青色艦隊は3番目に位置した階級でした。
また、同じタテハチョウ族の仲間のヨーロッパアカタテハは「red admiral」と呼ばれています。色別艦隊の中で赤色艦隊は1番目に位置した階級でした。
まとめ
ルリタテハは日本では全国的に見られる蝶です。成虫で越冬するので、早春から飛び始めます。
ちょうど桜が咲く時期に見られる蝶です。