ベニスジカワリタテハモドキ

学名:Precis archesia
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:一年中
- 分布:サブサハラアフリカ

分類
ベニスジカワリタテハモドキはタテハチョウ科に属しており、その中のタテハチョウ亜科に分けられていてます。
タテハチョウ亜科のアフリカタテハモドキ属に分けられています。
タテハチョウ亜科はアトグロヒョウモンモドキ・リュウキュウムラサキなど多数存在します。
生態
1年で2回発生する二化性です。
生息域
ケニア、アンゴラ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、エスワティニ、南アフリカ共和国などの主にサブサハラアフリカに生息しています。
サブサハラアフリカとはアフリカのサハラ砂漠より南の地域です。別名でサハラ以南のアフリカともいいます。
アフリカには乾季と雨季の二つの季節があります。
乾季は3月から9月で雨季は10月から3月です。地域によって乾季や雨季の期間が異なります。
南半球では日本とは季節も逆で、乾季の時期は冬、雨季の時期は夏です。
サバンナ、丘陵地帯、森林、庭園に生息しています。


成虫
ベニスジカワリタテハモドキは日中に活動し、多種多様な花から吸蜜します。花の咲いた庭園・草原で多く見られるようです。
しかし、生息地としてはサバンナや岩場が多いようです。夜になると草や穴に止まります。
地面などに止まり翅を完全に広げて日光浴をします。
乾季、雨季によって生態が異なるかは不明です。
翅を開張すると4.5 – 6cm前後になる、中型のチョウです。メスはオスより1cm大きいようです。

幼虫
成熟した幼虫の体色は黒色で節ごとに枝分かれしたオレンジ色の棘があります。尾部にも棘があります。
また、頭部には二対の黒い角があります。
棘に毒があるかは不明ですが、手袋を着用せずに触るのは危険とされています。
食草はキンランジソなどのシソ科、レモングラスなどのイネ科の葉を食べます。

成虫の見た目

ベニスジカワリタテハモドキは季節によって翅の模様と色が大きく異なるのが特徴的です。
今回紹介するのはベニスジカワリタテハモドキの乾季の形態です。
翅の表側はこげ茶色で、両翅を横断するように赤い帯模様があります。前翅の上部の縁には青紫色の縦縞模様があります。
また、前翅の赤い帯模様の中央に白の斑点があります。この白の斑点は若干青紫色がかっています。
後翅には青紫色の縦縞模様はありません。後翅の赤い帯模様の中央に黒の斑点があります。
翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側は茶色です。表側の模様をそのまま茶色に置き換えたような見た目です。しかし、翅の内側が樹皮のような模様をしています。
オスメスで見た目に大きな違いはありません。


アフリカタテハモドキ属の変化の謎
ベニスジカワリタテハモドキの雨季の形態では翅の表側は黒色で両翅を横断するように黄色の帯模様があるのが特徴です。
また、前翅の上部の縁に縦縞模様がありません。また翅の裏側の模様が帯模様が薄くなるぐらいの変化しかありません。
乾季・雨季の模様が混じった中間的な形態もいます。
何故ここまで季節によって見た目の変化が激しいのかは詳しくわかっていません。
一説によれば捕食者の混乱を招くためと考えられています。
姿を季節によって大きく変えることで別の種類の蝶と認識させ、警戒させる意味があるともいわれています。また、乾季・雨季の模様が混じった中間的な形態もいるため、区別できない可能性もあります。


まとめ
アフリカタテハモドキ属はコノハチョウに似たトガリタテハモドキ(学名:Precis tugela)などがいる不思議なチョウたちです。

