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アメリカアオイチモンジ
アメリカアオイチモンジ

学名:Limenitis arthemis
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:4 - 10月
- 分布:北アメリカ大陸

生態
4 – 10月まで、2回発生する二化性です。
生息域
カナダ東部とアメリカ北東部、アメリカ南部などの主に北アメリカ大陸に生息しています。
落葉樹林、常緑樹林などに生息しています。


成虫
アメリカアオイチモンジは日中に活動し、ユキヤナギ、イボタノキ、ガマズミ属の木などの小さな白い花から吸蜜します。
オスは湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。また、腐った果実、腐肉、糞などの汁も吸います。
オスは自分の領土を持ち、領土周辺を定期的にパトロールします。 メスは主に花の蜜を食べます。
翅を開張すると6 – 10cm前後になる、中型の蝶です。

幼虫
成熟した幼虫の体色は深い茶色がかったオリーブ色で、背側に中央部白い模様があります。疣足は褐色です。
頭部付近は白色で褐色の枝分かれした二対の角があります。
食草は広食性で多種多様な植物を食べます。主にヤマナラシ、ポプラ、ヤナギなどのヤナギ科の植物を食べます。
北部地域ではキハダカンバ、アメリカミズメなどのカバノキ科の植物を食べます。
南部地域ではブラックチェリーなどのバラ科の植物を食べます。

成虫の見た目
アメリカアオイチモンジは2つの主要な亜種に分けられています。
L a. arthemis(アルテミス)

「arthemis」(アルテミス)と呼ばれるアメリカ北部の個体は、翅の表側と裏側の両方を横断する白い帯を持っています。
翅の表側の下地は黒色で、後翅には赤と青の小さな斑点があります。縁が白と青で構成されています。


L. a. astyanax(アステュアナクス)


「astyanax」(アステュアナクス)と呼ばれるアメリカ南部の個体は、アオジャコウアゲハに擬態して進化したので、白い帯模様がありません。
翅の表側の下地は黒色で、前翅には赤と白の小さな斑点があります。後翅は青と黒のグラデーションになっています。縁が白と青で構成されています。
翅の裏側にはオレンジ色の斑点があります。


アオジャコウアゲハに擬態する蝶
「L a. arthemis」は、アメリカ北部に生息しています。一方、アオジャコウアゲハに擬態している「L. a. astyanax」はアメリカ南部に生息しています。
擬態のモデルになっているアオジャコウアゲハ(学名:Battus philenor)は北アメリカ大陸南部に生息する、ジャコウアゲハの仲間です。アオジャコウアゲハは、日本のジャコウアゲハと同じようにウマノスズクサを食草としていて、体内に毒を蓄えています。
「L. a. astyanax」の分布は、アオジャコウアゲハの分布とほぼ一致しているため、擬態としての機能を果たしています。
アオジャコウアゲハの分布から外れた、アメリカ北部の地域では擬態していない「L a. arthemis」が生息しています。
このようにアメリカアオイチモンジは、擬態している「L. a. astyanax」と擬態しない「L a. arthemis」の2つの亜種がいます また、学者によってこの2つの亜種を別の種類とする場合があるようです。


まとめ
「L a. arthemis」の学名はギリシャ神話の月の女神、アルテミスから来ています。
「L. a. astyanax」の学名はギリシャ神話のトロイアの王子ヘクトールとアンドロマケーの子、アステュアナクスから来ています。
どちらもギリシャ神話に関わっている名です。


トラフタテハ
トラフタテハ

学名:Parthenos sylvia
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:5 – 6cm前後
- 時期:一年中
- 分布:東南アジア

分類
トラフタテハはタテハチョウ科に属しており、その中のイチモンジチョウ亜科に分けられていてます。
イチモンジチョウ亜科のトラフタテハ属に分けられています。
イチモンジチョウ亜科の仲間にはアメリカアオイチモンジ・アオイチモンジなど多数存在します。
生態
季節を問わず、普通に見られる種です。
生息域
インド、スリランカ、バングラデシュ、アッサム、ボルネオ、カンボジア、スマトラ、ミャンマー、マラヤ、フィリピン、ニューギニアなど東南アジアに生息しています。
原生雨林、川岸などに生息しています。


成虫
トラフタテハは日中に活動し、ランタナなどの各種の花に集まり、吸蜜する。
また、オスは水辺で水を飲むことがあります。木のてっぺんや木の葉の周りに縄張りを持っています。
飛翔は活発な蝶で高速に飛びます。何百匹もの蝶が川の端の数kmに沿って、木のてっぺんに舞い上がります。
翅を開張すると8 – 10cm前後になる。

幼虫
幼虫の体色は茶色で、全身を黒い棘で武装しています。背中には白い斑点が多数あり、オレンジの縞模様をしています。
食草はアデニアなどのトケイソウ科、ティノスポラなどのツヅラフジ科の植物を食べる。

成虫の見た目


トラフタテハは何といってもその極彩色の翅に目が留まります。前翅は緑がかった黒地に白い斑点があります。
この白い斑点は実は半透明で透けています。
後翅は青と緑がかった黒地の縞模様と線の模様が目立ちます。後翅の外側に向かって徐々にオレンジ色になっています。


多くの色彩
トラフタテハには多くの亜種が存在し、主に色が違います。その数は33種の記載された種があります。
一部をリストにすると次のようになります。
- P. s. lilacinus (青色)
- P. s. apicalis (緑色)
- P. s. philippinensis (茶色)
- P. s. salentia (赤色)
上記の画像の個体は青色が強いので「P. s. lilacinus」になります。



まとめ
トラフタテハは表側が派手で特徴的ですが、裏側も特徴的です。表側が黒色の下地ですが、裏側は白色の下地と真逆の色をしています。
模様は裏表一緒ですが、下地の色は反転しているのが特徴です。

