カギシロスジアオシャクはシャクガ科に属しており、その中のアオシャク亜科に分けられています。
アオシャク亜科の仲間はオオシロオビアオシャク・コシロオビアオシャクなど多数存在します
時期は5 – 6月・8 – 9月と年に2回発生する多化性です。
日本では北海道・本州・四国・九州など全国的に生息しています。
中国、シベリア、朝鮮半島など東アジアに広く分布しています。
平地から低山地の林の周辺に生息しています。
カギシロスジアオシャクは小型の蛾で、翅を開帳すると3 – 4cmになります。
夜に活動し、街灯などの光に惹かれ、花の蜜を吸います。
昼間は葉っぱの上などで羽を広げてじっとしていることが多いです。
シャクガ科のガ類の幼虫は細長く毛のないイモムシです。移動するとき、全身を使って長さを測っているように見えることから、シャクトリムシ(尺取虫)と呼ばれています。
カギシロスジアオシャクの幼虫はブナ科のコナラなどの冬芽に擬態しています。体色を茶色に変えて冬芽に張り付くように越冬します。
この幼虫は新緑の頃には緑色に変わり、コナラの新芽に擬態します。また、体に大きな棘が生えています。
食草はブナ科のクリの球果、ブナ科のコナラ、クヌギ、ミズナラなど広食性です。
翅の地色は美しいエメラルドグリーンで内側の線は白色です。触角は白色で櫛歯状をしています。
前翅に2対の白い曲がった線があり、前翅と後翅に繋がった白い帯があります。
アオシャク亜科は小さい蛾が多い科です。
これらの小さな蛾は、光った青みがかった緑色のエメラルド色の翅が特徴的です。記載されている種は約2300種で、そのほとんどがアジアなどの熱帯からのものです。
例えば、オオシロオビアオシャクは英語名で「Large emerald」(大きなエメラルド)と呼ばれています。
また、アオシャク亜科の学名は「Geometrinae」(幾何学)と言います。幾何学模様とは三角形・方形・菱形・多角形・円形・直線・曲線などの図形を素材とする模様です。
アオシャク亜科の模様はいくつかの水平な帯に分けていて、その帯ごとにシグザグ線、三角形、直線、円などが特徴的です。実際にカギシロスジアオシャクは2対の白い曲がった線があり、前翅と後翅に繋がった白い帯があります。
このようにアオシャク亜科の翅の模様が幾何学模様だから学名が「Geometrinae」(幾何学)と名付けられたと考えられます。
シャクガ科には様々な亜科が存在します。
このように8種類の亜科が存在します。いずれは他の亜科のシャクガについて紹介していきます。