カテゴリー: アゲハチョウ科

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タイスアゲハ

タイスアゲハ

学名:Zerynthia polyxena

今回はヨーロッパの花綱、タイスアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

タイスアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のウスバアゲハ亜科に分けられていてます。

ウスバアゲハ亜科のタイスアゲハ属に分けられています。

ウスバアゲハ亜科はアポロウスバシロチョウ・ギフチョウなど多数存在します。

生態

1年を通じて1回発生する一化性です。

生息域

フランス、イタリア、スロバキア、ギリシャなど主に中央・南ヨーロッパに生息しています。

また、カザフスタンやトルコなどにも生息しています。

牧草地、渓谷、湿地に生息しています。

主に中央・南ヨーロッパに生息しているチョウなんだね
イモチャン
暖かく日当たりの良い、開けた場所を好む蝶です
シロヒトリ

成虫

タイスアゲハは日中に活動し、様々な花から吸蜜します。 

オスは自分の縄張りを持ち、縄張りを定期的にパトロールしています。飛翔はゆるやかに飛びます。

夕方になると茂みなどのねぐらに戻り、腹部を曲げて枝に止まり休息します。

翅を開張すると4 – 6cm前後になる、中型の蝶です。

成虫の寿命は約3週間です
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫の体色はベージュ色で、節ごとにオレンジ色の枝分かれした棘があります。このオレンジ色の棘は先端部分が黒色です。疣足はオレンジ色で、気孔は黒色です。

頭部はオレンジ色で、角はありません。

食草は「Aristolochia clematitis」(クレマティティス)などのウマノスズクサ科の植物を食べます。

ウマノスズクサ科の植物は毒性のあるアリストロキア酸を含み、幼虫時代にその葉を食べることによって、体内に毒を蓄えます。この毒は成虫になっても残り続けます。

毒を持つことによって、鳥などの捕食者から身を守っています。

棘の先端には細かい毛が生えているよ!
イモチャン

成虫の見た目

タイスアゲハ

タイスアゲハは黄色の翅と翅の縁の黒い縄模様が特徴的です。

翅の表側は黄色で、黒い翅脈が走っています。前翅は黒い斑点と縁に黒い縄模様と複雑な模様をしています。

後翅は前翅と同じく黄色で、黒い斑点と縁に黒い縄模様があります。縁の模様には薄い青色の斑点と赤い斑点があります。この赤と青の斑点は体に毒があることを示す警告色と考えられています。

オスメスともに見た目に大きな違いは特にありませんが、メスは翅がオスより少し長く、オスよりも明るい色といわれています。

黄色と黒の模様が派手な蝶だね!
イモチャン
英名では「southern festoon」(南部の花綱)と呼ばれています
シロヒトリ

タイスアゲハの英名・学名

英名

タイスアゲハの英名の「festoon」(フェストゥーン)とは花、葉、リボンなどを縄状に編んで、花縄の中央部をたるませ、両端を縛った装飾品や文様のことを示します。

主にローマ時代に盛んに用いられ、イタリア・ルネサンス期やバロック期にも多くみられた文様です。

また、懸華装飾、花綱装飾とも呼ばれます。

学名

タイスアゲハの小種名の「polyxena」(ポリュクセネー)とはギリシャ神話に登場する、トロイアの女王です。

ポリュクセネーはホメーロスの最古期の古代ギリシア詩作品『イーリアス』には登場せず、後世の詩人が『イーリアス』にロマンス要素を追加するために登場させた人物といわれてます。

ポリュクセネーの物語は次のようになります。

あるとき、彼女の兄弟トローイロスが20歳になればトロイアは敗れないだろうとの神託が下った。トロイア戦争中、ポリュクセネーとトローイロスが泉から水を汲んでこようとしたときに待ち伏せされ、トローイロスはギリシアの戦士アキレウスに殺された。アキレウスはポリュクセネーの物静かな賢明さに惹かれるようになった。

パトロクロスの死から立ち直りきっていなかったアキレウスはポリュクセネーの言葉に慰められ、彼女がアポローンの神殿で礼拝した後に会うようになった。アキレウスはポリュクセネーを信じきって、彼の唯一の弱点がかかとであることを明かした。

後に、同じアポローンの神殿でポリュクセネーの兄弟であるパリスとデーイポボスがアキレウスを待ち伏せて、そのかかとに毒矢を撃ちこんだ。これにはアポローンの加護があったとされる。

引用元:Wikipedia「ポリュクセネ-」

パリスの矢で瀕死の重傷を負ったアキレウスはその後死んでしまいます。アキレウスはポリュクセネーに恋をしていました。

ポリュクセネーの死については諸説あり、アキレウスの死後、責任を感じたポリュクセネーがすぐ自殺したという説と、トロイア戦争終結時に死んだという説があります。

ヨーロッパに生息しているからか、ローマやギリシャ関連の名前が付けられているんだね
イモチャン
フェストゥーンは翅の縁の模様から名づけられたと考えられます
シロヒトリ

まとめ

ウスバアゲハ亜科の蝶は変わった形、模様をしている蝶が多いです。

複雑な模様が美しいですね
シロヒトリ
次回はサザン・フランネル・モスについて紹介するよ!
イモチャン

オスジロアゲハ

オスジロアゲハ

学名:Papilio dardanu

今回は多種多様な見た目を持つ蝶、オスジロアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

オスジロアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のデラランディキオビアゲハ群に分けられています。

アゲハチョウ科はタスキアゲハルリオビアゲハなど多数存在します。

生態

1年を通じて何回発生するかは不明です。

生息域

北アフリカ以外の主にマダガスカルを含むサブサハラアフリカのほとんどの地域に生息しています。

サブサハラアフリカとはアフリカのサハラ砂漠より南の地域です。サハラ以南のアフリカともいいます。

熱帯雨林、雲霧林、公園などに生息しています。

主にサブサハラアフリカに生息しているチョウなんだね
イモチャン
標高約0~1800mに生息しています
シロヒトリ

成虫

オスジロアゲハは日中に活動し、ランタナなどの様々な花から吸蜜します。また、腐った果物の汁も吸います。

オスは湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。 

翅を開張すると8 – 14cm前後になる、中型の蝶です。

夕暮れになると木の葉にぶら下がって休息します
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫の体色は緑色で、頭部付近と尾部に二対の短い黄色の突起があります。疣足は白色です。 背面に黒い模様が少しあります。

他のアゲハチョウ科の幼虫のように、頭部付近に眼状紋があります。

食草はシトラスなどのミカン、「Xymalos」(レモンウッド)などのモ二ミア科の植物を食べます。

黄色の突起が特徴的だよ!
イモチャン

成虫の見た目

オスジロアゲハのオス

オスジロアゲハは白色の翅と黒い縁取りが特徴的です。

翅の表側は白色で、翅全体に黒い細い翅脈が走っています。前翅は白の翅に黒い縁取りがあります。その黒い縁取りに楕円形の白の斑点が一つあります。後翅には黒い縁取りに白の斑点がまだらにあります。また、尾状突起があります。

翅の裏側は模様は表側と変わりませんが、全体的に色が薄くなり、黒色の部分が茶色になります。

上記の特徴は全てオスの特徴です。オスジロアゲハはオスでも見た目が大きく異なる亜種もいます。今回の画像の個体は「P. d. cenea」という亜種です。

メスは擬態の多型現象が顕著で、主にマダラチョウの仲間に擬態しています。  

白と黒のシンプルな模様がいいね!
イモチャン
英名では「flying handkerchief」(空飛ぶハンカチ)と呼ばれています
シロヒトリ

メスの多型現象

オスジロアゲハのメスは地域ごとに毒のある蝶に擬態しています。毒のない生物が毒のある生物の模様や外見を模倣することをベイツ型擬態といいます。

オスジロアゲハのメスの擬態のパターンは大きく分けると3つに分けられます。

  1. カバマダラグループ   ・・一番多く擬態されているグループ
  2. シロモンマダラグループ   ・・シロモンマダラに擬態、尾状突起が無い
  3. ホソチョウグループ   ・・翅の中央に黄色などの大きな斑点がある

擬態する多くのメスの蝶には尾状突起がありません。しかし、一部の地域ではオスの模様と尾状突起がある姿をしたメスもいます。

また、蝶だけでなく蛾のツバメガ科に模倣するパターンもあるそうです。

 

 

このようにメスにいくつかの擬態の型が現れる現象のことを多形現象といいます。

全く異なる姿のメスをオスはどうやって自分と同じ種だと認識してるんだろう?
イモチャン
それは詳しく解明されていませんが、フェロモンなどが関係してそうです
シロヒトリ

まとめ

イギリスの昆虫学者「E.B.ポールトン」(1856年-1943年)はオスジロアゲハのことを『世界で最も興味深い蝶』と言いました。

それだけ様々な形態・生態をしている不思議な蝶です。

オスの翅脈がきれいです
シロヒトリ
次回はサザナミムラサキについて紹介するよ!
イモチャン

アオジャコウアゲハ

アオジャコウアゲハ

学名:Battus philenor

今回はメタリックな青いアゲハチョウ、アオジャコウアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

アオジャコウアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のアオジャコウアゲハ属に分けられています。

アオジャコウアゲハ属はウラベニアオジャコウアゲハ・ラオダマスアオジャコウアゲハなど多数存在します。

生態

1年を通じて数回発生を繰り返す多化性です。

生息域

フロリダ、ネブラスカ州、テキサス州、ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニア、オレゴンなどの主にアメリカ合衆国南部に生息しています。

また、メキシコやコスタリカでも観測されています。

森林、草原、牧草地、庭などに生息しています。

主にアメリカ合衆国南部に生息しているチョウなんだね
イモチャン
暖かく、温帯な環境を好みます
シロヒトリ

成虫

アオジャコウアゲハは日中に活動し、アザミ、ツツジ、フロックス、ランタナなどの様々な花から吸蜜します。

オスは湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。 

オスは頻繁に宿主植物であるウマノスズクサ科の植物に訪れて、メスを探します。メスを発見すると、オスはメスの上にホバリングし、オスがメスを上からフェロモンで扇動すると求愛が起こります。求愛が成功すると交尾します。

翅を開張すると7 – 13cm前後になる、中型の蝶です。

オスは交尾中にメスに贈り物としてナトリウムを使用する場合があります
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫の体色は黒色または赤色で、背側に黄色またはオレンジ色の突起が2列に並んでいます。側面に沿って短い黒い突起があります。疣足は黒色です。

テキサスやアリゾナなどの気温の高い地域では、全身が赤色の個体が多いようです。

頭部付近には色の二対の長い角があります。

 

食草はアリストロキア・セルペンタリアなどのウマノスズクサ科の植物を食べます。

ウマノスズクサ科の植物は毒性のあるアリストロキア酸を含み、幼虫時代にその葉を食べることによって、体内に毒を蓄えます。この毒は成虫になっても残り続けます。

毒を持つことによって、鳥などの捕食者から身を守っています。

毒々しい見た目をしているよ!
イモチャン

成虫の見た目

アオジャコウアゲハ
裏側

アオジャコウアゲハは翅の表側の青色の金属的光沢と裏側の青く輝く後翅が特徴的です。

翅の表側は青色の金属光沢があり、後翅には小さな白い三日月模様が並んでいます。また短い尾状突起があります。

翅の裏側は前翅は黒色で白い小さな斑点が並んでいます。

後翅には外側に向かって青く輝く模様があります。大きいオレンジの斑点があり、斑点の周りは黒色で覆われています。縁には白色の斑点があります

胴体にも青色の金属的光沢があります。

上記の特徴は全てオスの特徴です。

メスは全体的に色が鈍く、翅の裏側の模様も控えめで青く輝く模様がありません

青色のメタリックな感じがきれいだね!
イモチャン
英名では「blue swallowtail」(青アゲハチョウ)と呼ばれています
シロヒトリ

多くの蝶の擬態モデル

アオジャコウアゲハは体内に毒性のあるアリストロキア酸を持つ毒蝶です。そのため、北アメリカ大陸の多くの蝶のベイツ擬態のモデルになっています。

毒を持つ生物で警戒色によって周囲に危険を知らせるものがいますが、それらの生物とは違う種が同じ警戒色を用いて、捕食されないようにする擬態をベイツ型擬態といいます。

アゲハチョウ科のアオジャコウアゲハに擬態する種類

例えば、トラフアゲハメスのみアオジャコウアゲハの翅の裏側に似た模様をしています。

アオジャコウアゲハ (モデル)
トラフアゲハのメス

トラフアゲハのオスは全く擬態していません。メスだけが擬態しています

また、アオジャコウアゲハの分布から外れた地域のトラフアゲハのメスは擬態していません。これはメスの黄色型と呼ばれ、見た目はオスとそっくりです。

他にもメスクロキアゲハ(学名:Papilio polyxenes)やクスノキアゲハ(学名:Papilio troilus)などがアオジャコウアゲハに擬態しています。

タテハチョウ科のアオジャコウアゲハに擬態する種類

タテハチョウ科の蝶もアオジャコウアゲハの擬態をしています。それはアメリカアオイチモンジです。

アオジャコウアゲハ (モデル)
アメリカアオイチモンジ (擬態)

アメリカアオイチモンジはオスメスともに擬態しています。擬態している亜種はL. a. astyanaxと呼ばれています。

また、アオジャコウアゲハの分布から外れた地域のアメリカアオイチモンジは擬態していません。これは「L a. arthemis」という亜種に分けられています。

他にもダイアナヒョウモン(学名:Speyeria diana)のメスがアオジャコウアゲハに擬態しています。

 

チョウだけでなく、プロメテアカイコガ(学名:Callosamia promethea)のオスが擬態するなどガも擬態のモデルとして使用しています。

色んな蝶の擬態のモデルになっているんだね
イモチャン
アオジャコウアゲハは擬態のモデルとして研究され続けています
シロヒトリ

まとめ

アリストロキア酸は将来の卵、蛹、成虫の蝶に伝えられるため、何世代にもわたって、酸が蓄積するにつれて蝶の体内の酸のレベルが上昇していると考えられています。

青色の金属光沢が美しい蝶です
シロヒトリ
次回はマルバネカスリタテハについて紹介するよ!
イモチャン

ウスイロトラフアゲハ

ウスイロトラフアゲハ

学名:Papilio eurymedon

今回は淡い虎、ウスイロトラフアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

ウスイロトラフアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のトラフアゲハ群に分けられています。

トラフアゲハ群はトラフアゲハ・ニシトラフアゲハなど多数存在します。

生態

1年で1 – 2回発生する多化性です。

生息域

アメリカ合衆国では北はブリティッシュコロンビアから南はニューメキシコ州まで、カリフォルニア、バハカリフォルニアなど主にアメリカ西部に生息しています。

森林、山地、丘陸、郊外などに生息しています。

主にアメリカ西部に生息しているチョウなんだね
イモチャン
太平洋側に生息しています
シロヒトリ

成虫

ウスイロトラフアゲハは日中に活動し、イエルバサンタやウォールフラワーなどの様々な花から吸蜜します。

オスは湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。

成虫は5 – 7月が最も見られる時期です。

翅を開張すると9 – 12cm前後になる、大型の蝶です。

冬は蛹で越冬します
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫の緑色で、胸部に黄色の帯が1本あります。頭部付近に小さい2つの眼状紋があります。臭角は赤色です。

幼虫は脱皮直前に体全体が茶色に変化します。

食草はセイヨウミザクラなどのバラの植物を食べます。

ふっくらとした体をしているよ!
イモチャン

成虫の見た目

ウスイロトラフアゲハ

ウスイロトラフアゲハはクリーム色と黒い虎模様が特徴的です。

表側の翅の下地はクリーム色で4つの黒い虎模様が特徴的です。前翅は縁は黒で小さな黄色の斑点が並んでいます。

表側の後翅の内側の縁には小さなオレンジの斑点と青い斑点があります。

翅の裏側は色が全体的に薄くなります。また性別で見た目に違いはありません。

クリーム色がきれいだね!
イモチャン
英名では「pale swallowtail」(淡いアゲハチョウ)と呼ばれています
シロヒトリ

広く支配する者

ウスイロトラフアゲハの小種名の「eurymedon」(エウリュメドン)は古代ギリシャ語で「広く支配する者」という意味です。

ギリシャ神話でエウリュメドンの名を持つ者は数人います。代表的な人物をリストにすると次のようになります。

  • ギガースの王 ・・・人々に破壊をもたらし自身の傲慢さによって滅ぼされた
  • ミーノースの子 ・・・ミーノースとその側室のパレイアの4人の息子の1人
  • アリアドネの子 ・・・アリアドネの息子、アルゴタイナイの一人

他にもトロイア戦争に参加したミュケーナイの王アガメムノーンの御者でペイライオスの孫で、プトレマイオスの子のエウリュメドンがいます。

 

アメリカ西部に広く生息しているので、「広く支配する者」という意味の名前が付けられたのかもしれません。

かっこいい意味だね
イモチャン
エウリュメドンの名は橋にも使われています
シロヒトリ

まとめ

ウスイロトラフアゲハと同じ生息域にトラフアゲハ群のニシトラフアゲハ(学名:Papilio rutulus)がいますが、ニシトラフアゲハは色が濃い黄色なので区別しやすいです。

淡い色と黒の虎模様が美しいです
シロヒトリ
次回はニシキオオツバメガについて紹介するよ!
イモチャン

トラフアゲハ

トラフアゲハ

学名:Papilio glaucus

今回はアメリカの虎、トラフアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

トラフアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のトラフアゲハ群に分けられています。

トラフアゲハ群はウスイロトラフアゲハ・ニシトラフアゲハど多数存在します。

生態

1年に2 – 3回発生する多化性です。

生息域

アメリカのバーモント州南部からフロリダ州西部、テキサス州東部およびグレートプレーンズなど主にアメリカ東部に生息しています。

成虫は春から秋まで見られますが、正確な時期は地域によって異なります。

南部では2月から11月まで見られ、北部では5月から9月にかけて見られます。

森林、川岸、草原、庭、都市部など広い範囲に生息しています。

主にアメリカ東部に生息しているチョウなんだね
イモチャン
標高約0〜1000mに生息しています
シロヒトリ

成虫

トラフアゲハは日中に活動し、キョウチクトウ科、キク科およびマメ科などの花から吸蜜します。

オスはメスを探して道端や森林に沿ってパトロールします。オスとメスが出会うと着陸と交尾の前に互いに飛び回ります。オスは求愛中に香水のようなフェロモンを放出し、メスを交尾に誘います。

また、オスは暑い時期には最大20匹のグループで集合し、湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。糞、腐肉も食べます。

翅を開張すると10 – 14cm前後になる、大型の蝶です。

赤またはピンクの花を好む傾向があります
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫の体色は緑色で、背中に縦の黄色の線があります。蛹になる前に体色は暗褐色になります。

頭部付近に眼状紋がありますが、ナミアゲハと比べると小さめです。眼状紋は中心から白、黒、黄色になっています。

頭部は茶色で、臭角はオレンジ色です。

食草はユリノキなどのマグノリア、ブラックチェリーなどのバラ科の植物を食べます。

若い幼虫の体色は茶色だよ!
イモチャン

成虫の見た目

トラフアゲハは性的二系が著しい蝶です。

トラフアゲハのオス

オス

表側の翅の下地は黄色で4つの黒い虎模様が特徴的です。縁は黒で小さな黄色の斑点が並んでいます。

裏側の翅の模様は表側とほぼ一緒ですが、後翅の内側の縁には小さな赤い斑点と青い斑点があります。

黄色と黒の虎模様がきれいだね!
イモチャン
英名では「tiger swallowtail」(タイガーアゲハチョウ)とよばれています
シロヒトリ
トラフアゲハのメス

メス

メスにはオスに似た黄色型アオジャコウアゲハに擬態した黒色型がいます。今回紹介するのは黒色型です。

翅の表側の下地は黒色で前翅には縁に沿って、白い小さな斑点が並んでいます。後翅は内側から外側に向かって青くなり、縁に黄色とオレンジ色の斑点があります。

翅の裏側は全体的に翅の色が薄くなり、後翅にオレンジ色の斑点が多くなります。

オスにあった虎の模様が全然ないね!
イモチャン
メスの黄色型はオスとそっくりで、表側の翅に青い斑点があります
シロヒトリ

トラフアゲハのベイツ型擬態

トラフアゲハのオスは上記の見た目で固定されていますが、メスにはオスと同じで擬態していない黄色型アオジャコウアゲハに擬態した黒色型がいます。

擬態のモデルになっているアオジャコウアゲハ(学名:Battus philenor)は北米に生息する、ジャコウアゲハの仲間です。アオジャコウアゲハは、日本のジャコウアゲハと同じようにウマノスズクサを食草としていて、体内に毒を蓄えています。

毒を持つ生物で警戒色によって周囲に危険を知らせるものがいますが、それらの生物とは違う種が同じ警戒色を用いて、捕食されないようにする擬態をベイツ型擬態といいます。

 

トラフアゲハの黒色型のメスの分布は、アオジャコウアゲハの分布とほぼ一致しているため、擬態としての機能を果たしています。

アオジャコウアゲハの分布から外れた地域ではトラフアゲハのメスはオスと同じで擬態していない黄色型が見つかるそうです。

 

 

一部の種類で擬態をしている型と擬態をしていない型の両方が存在する種類を多形型 (polymorphic)といいます。

アオジャコウアゲハがいない地域では擬態をやめちゃうんだね
イモチャン
なぜ、蝶が擬態をやめるのかはいまだに解明されていません
シロヒトリ

まとめ

トラフアゲハのメスの擬態は研究者によって盛んに研究されています。

また、トラフアゲハはアメリカのバージニア州の蝶に指定されるなどアメリカと深くかかわっている蝶です。

虎模様が美しい蝶です
シロヒトリ
次回はルリタテハについて紹介するよ!
イモチャン

ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハ

学名:Byasa alcinous

今回は黒と赤の不思議な蝶、ジャコウアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

ジャコウアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のジャコウアゲハ属に分けられています。

ジャコウアゲハ族はケアンズトリバネアゲハアオジャコウアゲハなど多数存在します。

生態

春から夏にかけて発生します、1年に3 – 4回発生する多化性です。

生息域

日本、台湾、中国東部、朝鮮半島、ロシア沿海地方など主に東アジアに生息しています。

日本では、本州・四国・九州・南西諸島まで分布し、南西諸島では多くの亜種に分けられています。

川原、荒地、草原、森林の林縁部、渓谷に生息しています。

主に東アジアに生息しているチョウなんだね
イモチャン
河川付近でよく見られます
シロヒトリ

成虫

ジャコウアゲハは日中に活動し、ツツジ、アザミなど赤い花を好んで吸蜜します。

和名はオスの成虫が腹端から麝香(ジャコウ)のような匂いをさせることに由来します。この匂いの成分はフェニルアセトアルデヒドといわれています。

フェニルアセトアルデヒドは多くの種類の昆虫(チョウ目、ハチ目、甲虫類)が、交信物質として利用しています。

翅を開張すると9 – 10cm前後になる、中型のアゲハチョウです。

あまりはばたかずにゆっくりと飛びます
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫は体色は黒色または黒褐色で、体に白い帯模様があります。体中に太い突起があり、突起の先端は赤色です。

食草はウマノスズクサ、マルバノウマノスズクサなどウマノスズクサ科の植物を食べます。

ウマノスズクサ科の植物は毒性のあるアリストロキア酸を含み、幼虫時代にその葉を食べることによって、体内に毒を蓄えます。この毒は成虫になっても残り続けます。

毒を持つことによって、鳥などの捕食者から身を守っています。

臭角はオレンジ色で他の幼虫と比べると短いよ!
イモチャン

成虫の見た目

ジャコウアゲハ
裏側

ジャコウアゲハは赤色の腹部と長い後翅が特徴的です。

翅の表側の前翅の下地は黒色ですが、うっすらと透けていて黒い翅脈が見えます。翅の表側の後翅の下地は黒色で透けていません。外縁に少しだけ赤い斑点があります。

翅の裏側は前翅は変わりませんが、後翅は外縁に赤い斑点がはっきりとあります。 また、後翅と尾状突起は他のアゲハチョウ科と比べると長めです。

胴体は背側は黒色ですが、腹部は赤色です。

画像の個体はすべてオスで、メスは全体的に明るい褐色です。

黒い翅脈と赤い斑点がきれいだね!
イモチャン
赤と黒のコンストラクトがいいですね
シロヒトリ

お菊虫

ジャコウアゲハの蛹は金色で、その姿が後ろ手に縛られた女性の様に見えます。また、蛹は「お菊虫」と呼ばれることがあります。

これは各地に残る怪談『皿屋敷』の登場人物「お菊」に由来しています。

播州姫路が舞台の『播州皿屋敷実録』の話ではこう書かれています。

姫路城第9代城主小寺則職の代(永正16年1519年以降)、家臣青山鉄山が主家乗っ取りを企てていたが、これを衣笠元信なる忠臣が察知、自分の妾だったお菊という女性を鉄山の家の女中にし、鉄山の計略を探らせた。

そして、元信は、青山が増位山の花見の席で則職を毒殺しようとしていることを突き止め、その花見の席に切り込み、則職を救出、家島に隠れさせ再起を図る。

 

乗っ取りに失敗した鉄山は家中に密告者がいたとにらみ、家来の町坪弾四郎に調査するように命令した。程なく弾四郎は密告者がお菊であったことを突き止めた。以前からお菊に惚れていた弾四郎はこれを好機としてお菊を脅し、妾になれと言い寄るが、お菊に拒まれる。その態度を逆恨みした弾四郎は、お菊が管理を委任されていた、10枚揃えないと意味のない家宝の毒消しの皿「こもがえの具足皿」のうちの一枚をわざと隠す。そして皿が紛失した責任をお菊に押し付け、ついには責め殺して古井戸に死体を捨てた。

以来その井戸から夜な夜なお菊が皿を数える声が聞こえたという。

やがて衣笠元信達(則職の家臣)によって鉄山一味は討たれ、姫路城は無事、則職の元に返った。その後、則職はお菊の事を聞き、その死を哀れみ、十二所神社の中にお菊を「お菊大明神」として祀ったと言い伝えられている。

 

その後300年程経って城下に奇妙な形をした虫が大量発生し、人々はお菊が虫になって帰ってきたと言っていたといわれる。

 

引用元:wikipedia – 皿屋敷

この城下に大量発生した奇妙な虫というのは、ジャコウアゲハの蛹ではないかと考えられています

暁鐘成『雲錦随筆』では、お菊虫が、「まさしく女が後手にくくりつけられたる形態なり」と形容し、その正体は「蛹(よう)」であるとし、精緻な挿絵もされています。

 

このことに因み、兵庫県姫路市ではジャコウアゲハを市の蝶に指定しています。

蛹の姿が不気味に見えたんだね
イモチャン
戦前まではお菊虫を姫路城の天守やお菊神社でも売っていたらしいです
シロヒトリ

まとめ

ジャコウアゲハは姫路市自然観察の森でネイチャーセンターや園内で飼育してされていて、1年中、成虫や幼虫、さなぎを観察することができます。

怪談と姿が相まって不思議な蝶です
シロヒトリ
次回はオオフクロウチョウについて紹介するよ!
イモチャン

アポロウスバシロチョウ

アポロウスバシロチョウ

学名:Parnassius apollo

今回は太陽神の名を持つ蝶、アポロウスバシロチョウについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

アポロウスバシロチョウはアゲハチョウに属しており、その中のウスバアゲハ亜科に分けられていてます。

ウスバアゲハ亜科のウスバアゲハ属に分けられています。

ウスバアゲハ属はマルバネウスバ・テンシャンウスバなど多数存在します。

生態

春に発生しますが、1年に何回発生するかは不明です。

生息域

スペイン、スカンジナビア、中央ヨーロッパ、バルカン半島、アルプス山脈など主にヨーロッパに生息しています。

また、中央アジアの一部の地域(サハ)にも生息しています。

山地、岩場、高山草原、牧草地を好みます。

主にヨーロッパに生息しているチョウなんだね
イモチャン
標高約1000〜2300mに生息しています
シロヒトリ

成虫

アポロウスバシロチョウは日中に活動し、セダム(マンネングサ)、アザミ、ヤナギなど様々な花から、吸蜜します。

オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。

強力な飛行能力を持ち、山腹を越えて舞い上がります。そのため、頑丈な翅は飛ぶときに、はっきりとした羽ばたき音を立てます。

翅を開張すると6 – 9cm前後になる、中型のアゲハチョウです。

岩に止まって日光浴をします
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫は体色は黒色で体の横側に小さなオレンジ色の斑点が並んでいます。

体中に短い黒い毛が生えている毛虫です。

食草はベンケイソウの植物を食べます。

岩の多い場所にいるよ!
イモチャン

成虫の見た目

アポロウスバシロチョウ
裏側

アポロウスバシロチョウは和名通りに翅の端がわずかに透明で白い翅が特徴的です。

翅の表側の前翅の下地は白色で黒い斑点があります。 翅の縁は透明で透けています。

翅の表側の後翅には黒で縁取られた赤の目玉模様があります。この印象的な赤い目玉模様は、蝶によってサイズと形が異なり、赤色は太陽で色あせてしまうことが多く、年を取った蝶の目玉模様はオレンジ色に見えます。

翅の裏側はより透明感が増し、翅の内側に赤い斑点があります。

オスメスに見た目の違いはあまりありません。

白と透明の翅がきれいだね!
イモチャン
白の翅に赤い目玉模様が映えますね
シロヒトリ

原始的な蝶

ウスバアゲハ類の蝶は化石などから似たような種類が出てくるため、蝶の中でも原始的な種のグループと考えられています。また、独特な生態を持っています。

ウスバアゲハ類の特徴は、スフラギス(sphragis)です。

これは、交尾中オスは腹部にスフラギと呼ばれる大きなキチン質構造を発達させ、メスの生殖器の開口部を封鎖し、交尾したメスが他のオスと交尾するのを防ぎます。

また、アポロウスバシロチョウは毒を持つ蝶です。

幼虫のころに宿主植物(ベンケイソウ科)から、苦味のあるシアノグルコシドサルメントンシンを体に取り込みます。毒は成虫になっても体にのこっています。毒で鳥などの捕食者から守っています。

特に翅の部分に高濃度のサルメントンシンがあるようです。

見た目も独特だけど生態も変わっているね
イモチャン
また、幼虫はヤスデとミューラー擬態を共有しています
シロヒトリ

まとめ

アポロウスバシロチョウの学名は「Parnassius apollo」(パルナシウス・アポロ)といいます。小種名の「apollo」は太陽神アポローンから来ています。

アポローンはギリシャ神話の男神でオリュンポス十二神の一柱であり、ゼウスの息子です。月の女神アルテミスとは双子で、牧畜と予言の神、また、音楽と詩歌文芸の神といわれています。

属名の「Parnassius」はギリシャ神話のアポローンが住む山、Panassos(パルナッソス)山からきています。

白と透明の翅が好きです
シロヒトリ
次回はジャコウアゲハについて紹介するよ!
イモチャン

タスキアゲハ

タスキアゲハ

学名:Papilio thoas

今回は王と称される蝶、タスキアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

タスキアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のタスキアゲハ群に分けられています。

アゲハチョウ亜科はトラフアゲハオスジロアゲハなど多数存在します。

生態

1年に数回発生を繰り返す多化性です。

生息域

メキシコ、ペルー、ボリビア、南アメリカ(南はアルゼンチン、ウルグアイ)など主に中央・南アメリカに生息しています。 

森林地帯、熱帯雨林、雲霧林、果樹園などに生息しています

主に中央・南アメリカに生息しているチョウなんだね
イモチャン
標高約0〜1200mに生息しています
シロヒトリ

成虫

タスキアゲハは日中に活動し、ランタナ、スタキタルフェタ、ブーゲンビラなど様々な花から、吸蜜します。

オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。他の蝶と一緒に約4 – 6匹のグループになって吸水します。

翅を開張すると10 – 13cm前後になる、大型のアゲハチョウです。

熱帯地方を1年中飛び回ります
シロヒトリ

幼虫

アゲハチョウ科の幼虫の若い幼虫は鳥の糞に似ていますが、成長すると姿を変えます。

しかし、タスキアゲハの幼虫は成熟しても鳥の糞に似たままの姿をしています。

臭角はオレンジ色または赤色です。

食草はミカン科の植物を食べます。

若い幼虫がそのまま大きくなった感じだよ!
イモチャン

成虫の見た目

タスキアゲハ

タスキアゲハは和名通りに襷のような体を横切る黄色の線が特徴的です。      

翅の表側の前翅の下地は黒色で黄色の線と斑点があります。

翅の表側の後翅の下地は黒色で内側が黄色で外縁に黄色の三日月模様が並んでいます。外縁の内側に赤い斑点があります。

後翅の内側が黄色であるため、前翅の模様と合わせると体を横切る黄色の線に見えます。

翅の裏側は下地が黄色で黒の翅脈があり、表側の色と反転しています。翅の裏側の後翅には青い斑点と赤い斑点があります。

黄色の線がきれいだね!
イモチャン
また、尾状突起の先端に黄色の斑点があります
シロヒトリ

カラスアゲハの名前

タスキアゲハの学名は「Papilio thoas」で、小種名の「thoas」(トアース)はギリシャ神話の登場人物の名前です。

トアースの名を持つギリシャ神話の登場人物は主に4名います。リストにすると次のようになります。

  • ディオニューソスの子、レームノス島の王
  • ヒュプシュプレーの子、レームノス島の王トアースの娘ヒュプシピュレーとイアーソーンの子
  • ポリュステネースの子、タウリケーの王
  • アンドライモーンの子、アイトーリアの王

このように見ると3人が王で1人が王族です。

そのため、タスキアゲハは英名では「king swallowtail」(王のアゲハチョウ)と呼ばれています。

ギリシャ神話の王の名前が使われているんだね
イモチャン
大型のアゲハチョウで黄色と黒の荘厳な姿から王の名前が付いたのでしょう
シロヒトリ

まとめ

また、タスキアゲハは「Heraclides thoas」(ヘラクレイデス・トアース)とも呼ばれます。

ヘラクレイデスは古代ギリシャの哲学者で、地動説に近い概念の宇宙体系を考えた1人とされています。

黄色の線模様と黒の対比が美しいです
シロヒトリ
次回はアポロウスバシロチョウについて紹介するよ!
イモチャン

ミカドアゲハ

ミカドアゲハ

学名:Graphium doson

今回は帝と称される蝶、ミカドアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

ミカドアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のアオスジアゲハ属に分けられています。

アオスジアゲハ属はアオスジアゲハアオスソビキアゲハなど多数存在します。

生態

1年に1 – 3回発生する多化性です。

生息域

インド、スリランカ、ミャンマー、カンボジア、中国、台湾、韓国、ベトナム、日本、フィリピン、スマトラ、ボルネオなど主に東・東南アジアに生息しています。

日本では本州・四国・九州・南西諸島などに生息している南方系の蝶です。

森林地帯、川岸などに生息しています

主に東・東南アジアに生息しているチョウなんだね
イモチャン
標高約0〜1000mに生息しています
シロヒトリ

成虫

ミカドアゲハは日中に活動し、様々な花から、吸蜜します。翅を開張すると7 – 8cm前後になります。

強力な飛び方をし、敏捷で飛翔力が高く、樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回っていることが多いです。また、アゲハチョウ科の中でも飛翔力が高いのが特徴です。

他のアオスジアゲハ属と同じく、オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。

まず、口吻を使用して、ナトリウムや他のミネラルを抽出する水を絶えず吸い上げます。オスは絶えず体から水を汲み上げ、余剰分を肛門から排出し、それを使用して地面からさらにミネラルを溶解し、再吸収します

まっすぐ飛びます
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫は体色が緑色または褐色で、黄色と黒の目玉模様の中心に青色の棘があります。気孔は白と黒色です。体の下側に白のラインが走っています。

頭部には短い青色の角があります。臭角は青みがかった緑色です。

食草はオガタノマキ、タイワンオガタマなどのモクレンの植物を食べます。

尾に二本の棘があるよ!
イモチャン

成虫の見た目

ミカドアゲハ

ミカドアゲハは青い帯模様が不規則でまだらであることが特徴です。この模様には鱗粉がなく、鮮やかな青色で透き通っています。

翅の表側の模様は青い帯模様が不規則でまだらになっており、アオスジアゲハよりも青色の模様の数が多いです。

翅の裏側は表側より青い模様がかなり薄めで、体の内側と縁に赤い斑点と線が混ざります。

翅の模様はオスメスともによく似ているため、性別は生殖器で判断できます。

薄い青い帯模様がきれいだね!
イモチャン
全体的にアオスジアゲハよりも、色は薄めです
シロヒトリ

ミカドアゲハの赤斑型と黄斑型

ミカドアゲハは14種の亜種に分かれていて、日本に生息しているのは「G. d. perillus」(八重山亜種、赤斑型)、「G. d. albidum」(本土亜種、黄斑型)です。

赤斑型は翅の青色の模様と内側の赤い斑点が特徴です。

黄斑型は翅の黄色または白の模様とオレンジの斑点が特徴です。

 

比べて見てみると色が異なる以外は体や模様の形状は同じです。亜種として全体的に見ると赤斑型が多いです。

色が全然違うけど、ミカドアゲハとして扱われるんだね
イモチャン
上記の個体は赤斑型です
シロヒトリ

まとめ

ミカドアゲハを漢字では「帝揚羽」といいます。

また、本種の和名は当初命名された学名 「Papilio mikadoに由来しますが、この学名の命名由来については諸説があります。

1994年(平成6年)4月25日発売の15円普通切手の意匠になるなど日本になじみ深い蝶です。

薄い青色が美しいです
シロヒトリ
次回はヤマキチョウについて紹介するよ!
イモチャン

ナガサキアゲハ

カラスアゲハ

学名:Papilio memnon

今回は漆黒の蝶、ナガサキアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

ナガサキアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のナガサキアゲハ群に分けられています。

ナガサキアゲハ群はテンジクアゲハアカネアゲハなど多数存在します。

生態

4 – 10月頃に発生し、1年のうちに3~6回発生を繰り返す、多化性です。

生息域

インド、ネパール、バングラデシュ、ミャンマー、中国、台湾、日本、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアなど主に東・東南アジアに生息しています。

日本では近畿地方から南西諸島まで見られる、南方系の蝶です。しかし、近年関東地方などに北上し、徐々に生息域を広げています。

森林や市街地などに生息しています。

東・東南アジアに生息しているチョウなんだね
イモチャン
約0~約800mの標高に生息しています
シロヒトリ

成虫

ナガサキアゲハは日中に活動し、ポインセチア、ジャスミン、ランタナなどの様々な花から吸蜜します。 

オスは湿った砂や水辺を訪れ、ミネラルを摂るために吸水します。

翅を開張すると12 – 15cm前後になる、日本産のチョウではオオゴマダラに並ぶ、大型のアゲハチョウです。

ゆっくりとひらひら飛びます
シロヒトリ

幼虫

若い幼虫は鳥の糞に擬態しています。

成熟した幼虫は体色が緑色で、白い帯模様が特徴的です。

成熟した幼虫は最大で6cmにもなる、日本のアゲハチョウ科の幼虫の中では最大級の大きさです。

他のアゲハチョウ科の幼虫と同じく、頭部付近には目玉模様があります。

食草はカラタチ、ミカン、グレープフルーツなどのミカンの植物を食べます。

白い帯模様がきれいだよ!
イモチャン

成虫の見た目

ナガサキアゲハは性的二系が著しい蝶です。 オスメスともに尾状突起が無いのが特徴です。

ナガサキアゲハのオス

オス

オスは全体的に黒色で翅の表側全体に青色の鱗粉で覆われています

前翅の付け根に赤い縞模様がある場合とない場合があります。

翅の裏側は体の内側に向かって赤い斑点があります。後翅の外縁には赤い斑点が少しあります。

全身真っ黒で輝いているのがかっこいいね!
イモチャン
画像の個体は赤い縞模様あります
シロヒトリ
ナガサキアゲハのメス

メス

メスは表側の前翅が下地が灰色または茶色で黒い翅脈が目立ちます。前翅の付け根に赤い縞模様があります。

後翅は下地が黒色で白い斑点と赤の斑点があります。

翅の裏側の模様は表側の模様とほぼ同じです。

オスと雰囲気が全然違うね!
イモチャン
黒い翅脈が美しいです
シロヒトリ

メスの「有尾型」

上記でオスメスともに尾状突起が無いのが特徴といいましたが、メスには尾状突起がある「有尾型」がいます。「有尾型」は非常に珍しい個体です。

有尾型は日本でもまれに発見されています

「有尾型」のメス

また、日本では南の個体群ほどメスの白色部が広くなる傾向があり、九州や沖縄では前翅にまで白い部分が広がる個体もいます。

有尾型のメスは腹部の色にも特徴があります。オスと無尾型メスが全体黒色なのに対して、有尾型メスの腹部は背面のみ黒色でそれ以外は濃い黄色になります。

画像の個体は片側だけに尾があります。

メスには色んなパターンがあるんだね
イモチャン
メスには約26のパターンがあるようです
シロヒトリ

まとめ

ナガサキアゲハの和名はドイツの医師・博物学者シーボルトが長崎で最初に採集されてことから由来しています。

また、ナガサキアゲハの英名は「great mormon」(グレートモルモン)と呼ばれています。

オスメスともに黒色が美しい蝶です
シロヒトリ
次回はユーカリスカザリシロチョウについて紹介するよ!
イモチャン

ルリオビアゲハ

ルリオビアゲハ

学名:Papilio palinurus

今回は緑の孔雀、ルリオビアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

ルリオビアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のルリオビアゲハ群に分けられています。

ルリオビアゲハ群はクリノルリオビアゲハ・オオルリオビアゲハなどが存在します。

生態

1年のうちに発生を繰り返す、多化性です。

生息域

マレー半島、ビルマ、スマトラ、ボルネオ、インドネシア、フィリピンなど主に東南アジアに生息しています。

原生林や川岸に生息しています。

東南アジアに生息しているチョウなんだね
イモチャン
東南アジア原産ですが、世界中の蝶の家で人気の蝶です
シロヒトリ

成虫

ルリオビアゲハは日中に活動し、様々な花から吸蜜します。

飛行は迅速かつ非常に高速です。

翅を開張すると8 – 10cm前後になる、中~大型のアゲハチョウです。

別名オビクジャクアゲハといいます
シロヒトリ

幼虫

若い幼虫は鳥の糞に擬態しています。

成熟した幼虫は体色が緑または黄緑色で、黒い帯模様があります。

他のアゲハチョウ科の幼虫と同じく、頭部付近には目玉模様があります。

食草はユーディアなどのミカンの植物を食べます。

平べったい体つきをしているよ!
イモチャン

成虫の見た目

ルリオビアゲハ

ルリオビアゲハはエメラルドグリーンに輝く帯紋が特徴です。

翅の下地は黒色で、前翅と後翅を横切る帯模様があります。翅の表側全体に緑の鱗粉で覆われています。後翅の内側の縁には赤い斑点があります。

翅の裏側の模様は表側と大きく異なります。まず、翅の下地は茶色または黒色で、後翅の縁に沿って赤、白の斑点があります。

オスメスで模様に大きな違いはありません。

翅が緑色に輝いていてきれいだね!
イモチャン
英名では「emerald swallowtail」(エメラルドアゲハチョウ)と呼ばれています
シロヒトリ

角度によって色を変える蝶

このエメラルドグリーンの帯模様は蝶の翅の色素ではなく、翅の鱗の微細構造によって生成される構造的な着色です。

微細構造による、分光に由来する発色現象を構造色といいます。

鱗が光を屈折させ、青と黄色の光を反射します。これらの微細構造は互いに隣接しているため、反射された青と黄色の光は一緒になり、人間の目はそれをと認識します。

 

そのため、角度によって見える色が緑のほかに黄色ターコイズブルーに変化して、見えることがあるようです。

黄色とか青色に見えることもあるんだね
イモチャン
モルフォチョウの鮮やかな青色も構造色によるものです
シロヒトリ

まとめ

ルリオビアゲハの種名の「palinurus」はウェルギリウスが書いた叙事詩『アエネーイス』に登場する船のナビゲーター「パリウヌス」に由来しています。

叙事詩『アエネーイス』は古代ローマの詩人ウェルギリウスの最後にして最大の作品であり、ラテン文学の最高傑作とされています。

緑の帯が美しい蝶です
シロヒトリ
次回はナガサキアゲハについて紹介するよ!
イモチャン

アオスジアゲハ

アオスジアゲハ

学名:Graphium sarpedon

今回は青帯を纏う蝶、アオスジアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

アオスジアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。

アゲハチョウ亜科のアオスジアゲハ属に分けられています。

アオスジアゲハ属はアオスソビキアゲハコモンタイマイなど多数存在します。

生態

5 – 10月に見られ、年に2 – 4回発生する多化性です。

生息域

日本、中国、インド、ベトナム、マレーシアなどの主に東・東南アジアに生息しています。

日本では本州、四国、九州、沖縄など北海道以外の場所に生息しています。

また、アオスジアゲハは15の亜種に分かれていて、日本に生息しているのは「G. s. nipponum」です。

都市周辺でもよく見られ、公園、街路樹、森林地帯に生息しています。

東・東南アジアに生息しているチョウなんだね
イモチャン
約0〜1400mの標高に生息しています
シロヒトリ

成虫

アオスジアゲハは日中に活動し、様々な花に集まり、吸蜜します。

翅を開張すると6 – 7cm前後になります。

強力な飛び方をし、敏捷で飛翔力が高く、樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回っていることが多いです。そのため、捕まえづらい蝶です。

アゲハチョウ科の中でも飛翔力が高いのが特徴です
シロヒトリ

幼虫

完全に成長した幼虫は、体色が緑色で、薄い黄色の横縞があります。各胸部と肛門部に短い棘が付きます。

食草はクスノキ、タブノキなどのクスノキ科の植物を食べます。

可愛い顔をしているよ!
イモチャン

成虫の見た目

アオスジアゲハ
翅の裏側

アオスジアゲハは和名通り、青い帯のような模様が特徴的です。この帯には鱗粉がなく、鮮やかな青色で透き通っています。

翅は黒色の下地で、青い帯が前翅と後翅を貫いたような模様をしています。後翅には縁に青い斑点があります。

翅の裏側は表側とそんなに変わりませんが、体の内側と縁に赤い斑点が混ざります

翅の模様はオスメスともによく似ているため、性別は生殖器で判断できます。

青い帯がきれいだね!
イモチャン
規則的な模様がいいですね
シロヒトリ

オスのフィルター給餌

オスは初夏から夏にかけて湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。

アオスジアゲハのオスは「フィルター給餌」技術を持っています。

まず、口吻を使用して、ナトリウムや他のミネラルを抽出する水を絶えず吸い上げます。オスは絶えず体から水を汲み上げ、余剰分を肛門から排出し、それを使用して地面からさらにミネラルを溶解し、再吸収します

地面の水を吸うときに静止し、アゲハチョウ科では珍しく翅を閉じて止まります。そのため、給水中は捕まえやすいです。

 

オスは水辺で集合体を形成します。集合体のほとんどの蝶が同じ方向に向いていることが特徴的です。その姿は小さな帆船が並んでいるように見えます。

栄養を取るために水をたくさん飲むんだね
イモチャン
また、腐った果物の汁なども吸います
シロヒトリ

まとめ

アオスジアゲハはその見た目から、通称「blue triangle」(青い三角形)と呼ばれています。

また、アオスジアゲハ属は見た目が美しい蝶が多く、コレクターに人気の蝶です。

青の帯模様が好きです
シロヒトリ
次回はクジャクチョウについて紹介するよ!
イモチャン