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ベニスジカワリタテハモドキ
ベニスジカワリタテハモドキ

学名:Precis archesia
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:一年中
- 分布:サブサハラアフリカ

分類
ベニスジカワリタテハモドキはタテハチョウ科に属しており、その中のタテハチョウ亜科に分けられていてます。
タテハチョウ亜科のアフリカタテハモドキ属に分けられています。
タテハチョウ亜科はアトグロヒョウモンモドキ・リュウキュウムラサキなど多数存在します。
生態
1年で2回発生する二化性です。
生息域
ケニア、アンゴラ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、エスワティニ、南アフリカ共和国などの主にサブサハラアフリカに生息しています。
サブサハラアフリカとはアフリカのサハラ砂漠より南の地域です。別名でサハラ以南のアフリカともいいます。
アフリカには乾季と雨季の二つの季節があります。
乾季は3月から9月で雨季は10月から3月です。地域によって乾季や雨季の期間が異なります。
南半球では日本とは季節も逆で、乾季の時期は冬、雨季の時期は夏です。
サバンナ、丘陵地帯、森林、庭園に生息しています。


成虫
ベニスジカワリタテハモドキは日中に活動し、多種多様な花から吸蜜します。花の咲いた庭園・草原で多く見られるようです。
しかし、生息地としてはサバンナや岩場が多いようです。夜になると草や穴に止まります。
地面などに止まり翅を完全に広げて日光浴をします。
乾季、雨季によって生態が異なるかは不明です。
翅を開張すると4.5 – 6cm前後になる、中型のチョウです。メスはオスより1cm大きいようです。

幼虫
成熟した幼虫の体色は黒色で節ごとに枝分かれしたオレンジ色の棘があります。尾部にも棘があります。
また、頭部には二対の黒い角があります。
棘に毒があるかは不明ですが、手袋を着用せずに触るのは危険とされています。
食草はキンランジソなどのシソ科、レモングラスなどのイネ科の葉を食べます。

成虫の見た目

ベニスジカワリタテハモドキは季節によって翅の模様と色が大きく異なるのが特徴的です。
今回紹介するのはベニスジカワリタテハモドキの乾季の形態です。
翅の表側はこげ茶色で、両翅を横断するように赤い帯模様があります。前翅の上部の縁には青紫色の縦縞模様があります。
また、前翅の赤い帯模様の中央に白の斑点があります。この白の斑点は若干青紫色がかっています。
後翅には青紫色の縦縞模様はありません。後翅の赤い帯模様の中央に黒の斑点があります。
翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側は茶色です。表側の模様をそのまま茶色に置き換えたような見た目です。しかし、翅の内側が樹皮のような模様をしています。
オスメスで見た目に大きな違いはありません。


アフリカタテハモドキ属の変化の謎
ベニスジカワリタテハモドキの雨季の形態では翅の表側は黒色で両翅を横断するように黄色の帯模様があるのが特徴です。
また、前翅の上部の縁に縦縞模様がありません。また翅の裏側の模様が帯模様が薄くなるぐらいの変化しかありません。
乾季・雨季の模様が混じった中間的な形態もいます。
何故ここまで季節によって見た目の変化が激しいのかは詳しくわかっていません。
一説によれば捕食者の混乱を招くためと考えられています。
姿を季節によって大きく変えることで別の種類の蝶と認識させ、警戒させる意味があるともいわれています。また、乾季・雨季の模様が混じった中間的な形態もいるため、区別できない可能性もあります。


まとめ
アフリカタテハモドキ属はコノハチョウに似たトガリタテハモドキ(学名:Precis tugela)などがいる不思議なチョウたちです。


ベニタテハモドキ
ベニタテハモドキ

学名:Precis octavia
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:一年中
- 分布:サブサハラアフリカ

生態
1年で数回発生を繰り返す多化性です。
生息域
ギニア、ブルキナファソ、シエラレオネ、ガーナ、トーゴ、ベナン、ナイジェリア、カメルーン、ガボン、コンゴなどの主にサブサハラアフリカに生息しています。
サブサハラアフリカとはアフリカのサハラ砂漠より南の地域です。別名でサハラ以南のアフリカともいいます。
アフリカには乾季と雨季の二つの季節があります。
乾季は3月から9月で雨季は10月から3月です。地域によって乾季や雨季の期間が異なります。
南半球では日本とは季節も逆で、乾季の時期は冬、雨季の時期は夏です。
サバンナ、森林、植物園、草原に生息しています。


成虫
ベニタテハモドキは日中に活動し、多種多様な花から吸蜜します。花の咲いた草原で多く見られるようです。
地面または葉の上に止まり、翅を完全に広げて日光浴をします。
乾季、雨季によって生態が異なるチョウです。
乾季の形態は雨季の形態よりも活発に飛行する傾向がなく、日陰などの隠れられる場所でしばしば止まっています。森林地帯を好む傾向があります。
雨季の形態は活発に飛行し特定の地帯を好まず、様々な場所を移動しています。寒い気候では穴や岩の下で冬眠します。
翅を開張すると5 – 7cm前後になる、中型のチョウです。

幼虫
成熟した幼虫の体色は個体差があり、明るいオレンジ色と完全に黒色の個体がいます。
オレンジ色の個体には黒い帯模様があります。共通で節ごとに枝分かれした黒い棘があります。また、頭部には二対の黒い角があります。
乾季では完全に黒い個体が、雨季では明るいオレンジ色の個体が生まれる傾向があるようです。
食草はハーブなどのシソ科の葉を食べます。

成虫の見た目

ベニタテハモドキは季節と亜種によって翅の模様と色が大きく異なるのが特徴的です。
今回紹介するのは北部の亜種「Precis octavia octavia」の乾季の形態です。
翅の表側は青紫色で、黒の帯模様があります。また、両翅を横断するような赤い帯模様があります。前翅の上部の縁には小さな白い斑点があります。 後翅には小さな白い斑点はありません。
翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側は紫がかった茶色です。表側の模様をそのまま紫がかった茶色に置き換えたような見た目です。
オスメスで見た目に大きな違いはありません。


ベニタテハモドキの形態の多様性
上記で北部の亜種「Precis octavia octavia」の乾季の形態を紹介しました。
それでは雨季の形態はどんな姿かといいますと、乾季と雨季では全く別の種に見えるほど見た目が違います。
北部の亜種「Precis octavia octavia」
北部の亜種「Precis octavia octavia」の雨季の形態では翅の表側はオレンジ色で縁が黒色なのが特徴です。
画像が用意できませんでしたが、雰囲気としては翅を丸くしたヒオドシチョウに似ています。
南部の亜種「Precis octavia sesamus」
南部の亜種も乾季と雨季では全く別の種に見えるほど見た目が違います。
南部の亜種「Precis octavia sesamus」の乾季の形態では翅の表側は明るい青色で黒と赤の帯模様が特徴的です。
南部の亜種「Precis octavia sesamus」の雨季の形態では翅の表側は明るい赤色で縁が黒色が特徴的です。「form natalensis」と呼ばれています。
乾季と雨季の個体で交尾することがあります。
自然では乾季と雨季の中間の模様の個体は珍しいようですが、飼育下では気温などの条件、環境によって両方の翅の模様の個体を人工的に作成することが出来るようです。
季節によって色と模様が大きく異なるので最初は異なる種として見られていたようです。


まとめ
アフリカタテハモドキ属のチョウは季節によって見た目が大きく異なるチョウたちです。


タイリクコムラサキ
タイリクコムラサキ

学名:Apatura ilia
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:5 - 9月
- 分布:ヨーロッパ・東アジア

分類
タイリクコムラサキはタテハチョウ科に属しており、その中のコムラサキ亜科に分けられていてます。
コムラサキ亜科のコムラサキ属に分けられています。
コムラサキ亜科はオオムラサキ・シロコムラサキなど多数存在します。
生態
通常は1年で1回発生する一化性ですが、暖かい地域では2回発生する二化性です。
生息域
ヨーロッパのほとんどに分布していますが、北ヨーロッパには分布していません。
東アジアではロシア、中国、朝鮮半島で確認されています。日本に生息しているかは不明です。
主にヨーロッパ、東アジアに生息しています。
森林、林端、渓谷に生息しています。


成虫
タイリクコムラサキは日中に活動し、獣糞や腐肉などの汁を吸います。花には訪れません。また、植物の樹液を食べるアブラムシが分泌する甘露を吸います。
甘露は糖が多い粘りのある液体で、色は蜂蜜と似ています。
タイリクコムラサキは獣糞や腐肉をめったに目にすることはなく、栄養の大部分を甘露で補っていると考えられています。
翅を開張すると5 – 7cm前後になる、中型のチョウです。

幼虫
成熟した幼虫の体色は緑色で、体の中央に黄色のV字の模様があります。体中に黄色の小さな斑点が散りばめられています。
頭部に茶色のまたは黄色の二対の大きな角が生えています。背面にこの角を起点とした黄色の線が走っています。
食草はヤマナラシ、セイヨウハコヤナギなどのヤナギ科の葉を食べます。

成虫の見た目


タイリクコムラサキは翅の美しい紫色の金属光沢と後翅の縁の黒点が特徴的です。
翅の表側には紫色の金属光沢があります。翅の中央付近には両方の翅を横断するようなオレンジ色の帯模様があります。またオレンジ色の模様に黒い小さな斑点があります。前翅の茶色とオレンジの縁には白い斑点があります。
後翅には茶色の縁にオレンジ色の大きな斑点があります。このオレンジ色の斑点に黒い斑点が重なっています。
全体的に日本に生息しているコムラサキ(学名:Apatura metis)に非常に姿が似ています。見分け方は表側の後翅のオレンジ色の大きな斑点にある黒い斑点の有無です。
黒い斑点が無ければコムラサキ、黒い斑点があればタイリクコムラサキです。
タイリクコムラサキの翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側は白っぽい茶色です。前翅は表側の模様が全体的に白っぽい茶色になり、白い斑点があります。後翅には茶色と白の帯模様があります。
オスだけに紫色の金属光沢があり、メスはこげ茶色です。


コムラサキの生活史
コムラサキはほとんどの時間を樹木の上部で過ごしています。特にメスは樹木の最上部である樹冠から降りることはめったにないといわれています。
しかし、時々餌を摂るために木から降りることはあります。
交尾はオスとメスが一緒に丘の上や樹木の最上部に移動し、そこで求愛と交尾が始まります。
交尾後、メスは太陽に照らされた日当たりのいい木々の葉の表側に産卵する傾向があります。樹冠から降りるのは餌か産卵の時だけです。
一方、オスは次のメスを探す前に、交尾のために獣糞や腐肉や甘露などを食べて栄養を補給します。


まとめ
コムラサキ亜科はオスの翅が金属光沢を持ち、メスが茶色などの地味な色をしているのが特徴です。


アオイチモンジ
アオイチモンジ

学名:Limenitis reducta
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:5 - 9月
- 分布:中央・南ヨーロッパ

分類
アオイチモンジはタテハチョウ科に属しており、その中のイチモンジチョウ亜科に分けられていてます。
イチモンジチョウ亜科のオオイチモンジ属に分けられています。
イチモンジチョウ亜科はアメリカアオイチモンジ・トラフタテハなど多数存在します。
生態
通常は1年で1回発生する一化性ですが、暖かい地域では数回発生する多化性です。
生息域
中央ヨーロッパ、南ヨーロッパ(バルカン半島、アルプス山脈も含む)、西アジア(コーカサス山脈も含む)などに分布しています。
明るい森林、森の端、草原に生息しています。


成虫
アオイチモンジは日中に活動し、多種多様な花を吸蜜します。また、樹液や腐った果物、獣糞、アブラムシの出す甘い汁などを吸います。
オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。
敏捷で飛翔力が高く、飛行中に翅の光の反射があります。そのため、飛んでいる姿は突然閃光が走ったように見えます。
翅を開張すると4 – 6cm前後になる、中型のチョウです。

幼虫
成熟した幼虫の体色は黄緑色で、節ごとに太い枝分かれした茶色の棘があります。
太い枝分かれした茶色の棘の先端は黒色をしています。この棘は頭部と尾部付近の方が太く大きい傾向があります。
顔と側面に細かい白の毛が生えています。疣足と頭部は茶色です。
食草はスイカズラ科の葉を食べます。

成虫の見た目


アオイチモンジは翅のメタリックブルーの金属光沢と裏側の模様が特徴的です。
翅の表側はメタリックブルーの金属光沢があります。前翅には白い斑点があります。後翅には白の帯模様があります。翅の縁には黒い小さな丸い点が並んでいます。
アオイチモンジの翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側は赤みがかった褐色です。前翅はこの赤みがかった褐色にこげ茶色が混ざり、白の斑点があります。後翅は内側が白く、また白い帯模様があります。両翅ともに縁には黒い小さな丸い点が並んでいます。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。


オオイチモンジ属の英名と属名
オオイチモンジ属のチョウは英名に「admiral」(提督)と名前が付いています。リストにすると次のようになります。
- オオイチモンジ(学名:Limenitis populi)ポプラ提督
- アオイチモンジ(学名:Limenitis reducta)南白提督
- アメリカオオイチモンジ(学名:Linenitis weidermeyerii)ワイデマイヤー提督
- アメリカアオイチモンジ(学名:Limenitis arthemis)白い提督
- ツマアカイチモンジ(学名:Limenitis lorquini)ローキンの提督
- カバイロイチモンジ(学名:Limenitis archippus)総督
属名の「Limenitis」とはラテン語では「港湾の」、古代ギリシャ語では「港」「避難所」を表す言葉です。
提督は艦隊の総司令官の呼び名です。いずれにしても海に関係のある名前が付けられています。何故海に関係のある名前が付けられているのかは謎です。


まとめ
イチモンジチョウ亜科ではオオイチモンジ属(提督蝶)のほかに、アメリカイチモンジ属(姉妹蝶)、チャイロイチモンジ属(司令官蝶)など個性的な名前が付けられています。


ヒイロツバメシジミ
ヒイロツバメシジミ

学名:Talicada nyseus
- 分類:シジミチョウ科
- 前翅長:1 – 2cm前後
- 時期:一年中
- 分布:インド亜大陸・東南アジア

分類
ヒイロツバメシジミはシジミチョウ科に属しており、その中のシジミチョウ亜科に分けられていてます。
シジミチョウ亜科のタリカダ属(Talicada)に分けられています。
シジミチョウ科はイカルスヒメシジミ・ゴイシシジミなど多数存在します。
生態
1年で数回発生を繰り返す多化性です。
生息域
ヒマラヤ山脈、北インド、南インド、メガラヤ州、アッサム、北ミャンマー、タイ、ベトナムなど主にインド亜大陸、東南アジアに分布しています。
森林、平野、庭園、丘陵地帯に生息しています。


成虫
ヒイロツバメシジミは日中に活動し、アマランサス、アカンサスなどのハーブの花を吸蜜します。アルテルナンテラなどの園芸種も好みます。
オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。また、集団になることはなく単独で行動します。
翅を半分開いて日光浴をしますが、太陽よりも日陰を好んでいます。葉や小枝の裏側に落ち着くときは、ほとんど暗くなるまで翅を閉じたままです。
翅を開張すると3 – 3.5cm前後になる、小型のチョウです。

幼虫
成熟した幼虫の体色は薄い黄緑色で、体長が短いため丸い印象を受けます。全身が小さな白い毛で覆われています。
気孔は黒色で、頭部は黄色です。
食草はカランコエなどのベンケイソウ科の葉を食べます。

成虫の見た目


ヒイロツバメシジミは翅の裏側の緋色の帯模様と黒と白の縁が特徴的です。
翅の表側は黒色で、前翅は模様がなく黒一色です。後翅の下側にはオレンジ色の帯模様があります。 縁には黒と白の模様があり、少し毛があります。 また短い黒と白の尾状突起があります。
ヒイロツバメシジミの翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側は白色で、白色の部分には黒の斑点が点々とあります。縁には黒と白のレース模様があります。この模様に重なるように緋色の帯模様があります
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。 しかし、メスの方が体が大きい傾向があるようです。


ピエロのチョウ
インドには通称「Pierrot」(ピエロ)と呼ばれているシジミチョウたちがいます。リストにすると次のようになります。
- ドウケシジミ(学名:Castalius rosimon)コモンピエロ
- ヒイロツバメシジミ(学名:Talicada nyseus)レッドピエロ
- タルカス・アナンダ(学名:Tarucus ananda)ダークピエロ
- タルカス・バルカニクス(学名:Tarucus balkanicus)バルカンピエロ
- ディスコラムパ・エチオン(学名:Discolampa ethion)バンドブルーピエロ
ピエロまたは道化師は派手な格好をし、行動、言動などをして他人を楽しませる役者です。また、ピエロは派手な衣装と顔に白塗りのメイクをしています。
翅の模様がピエロの衣装や化粧のように、表側の模様が派手な衣装で、裏側の白い模様が化粧のように見えたのでしょう。
以上のような要因によってこのような名が付けられたと考えられます。


まとめ
インドは巨大な山脈であるヒマラヤ山脈があります。そのためか、移動してくるチョウが少なくチョウの種類はそれほど多くありません。
しかし、独自の進化を遂げた個性的なチョウが多いです。


キベリタテハ
キベリタテハ

学名:Nymphalis antiopa
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:4 - 9月
- 分布:ユーラシア大陸・北アメリカ

生態
1年で1回発生する一化性です。
生息域
ユーラシア大陸、北アメリカなどの主に北半球の温帯・寒帯に広く分布しています。
日本では北海道・本州に生息しています。日本では中部地方から北海道までの涼しい地域に分布しています。
広葉樹林、山地、高山草原に生息しています。


成虫
キベリタテハは日中に活動し、樹液や腐った果物、獣糞から汁を吸います。花には訪れません。 また、水を吸水することがあります。
時々木の幹や枝、地面に止まり日光浴をします。
キベリタテハは成虫のまま越冬します。越冬する場所は木の空洞や雪で覆われた樹皮などに止まり、春を待ちます。
寿命は11~12か月でチョウの中で最も長い寿命の1つといわれています。
翅を開張すると6 – 7cm前後になる、中型のチョウです。

幼虫
成熟した幼虫の体色は黒色で、背面に8つの赤みがかったオレンジ色の大きな斑点があります。この斑点に黒い線が通っています。
体中に小さな白い斑点が散りばめられていて、節ごとに枝分かれした黒い棘が生えています。
疣足はオレンジ色で、頭部は黒色です。
食草はヤナギなどのヤナギ科、アメリカニレなどのニレ科、シラカンバなどカバノキ科の葉を食べます。

成虫の見た目


キベリタテハは翅の黄白色の太い縁が特徴的です。
翅の表側は赤褐色で少し光沢があります。前翅後翅ともに黄白色の太い縁があります。この縁の内側には水色の斑点が点々と並んでいます。
この模様は本種特有のもので、他に類似している種がいないので、区別しやすいチョウです。
キベリタテハの翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側は灰色または黒色で、樹皮のような縞模様になっています。しかし、表側と同様に黄白色の太い縁があります。
翅の裏側の模様は樹皮に似ていています。キベリタテハが木に止まると翅を閉じて、木の樹皮にカモフラージュします。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。


キベリタテハの名前
キベリタテハは北半球の温帯・寒帯に広く分布しているチョウです。そのため国ごとに名前があります。
英名
北アメリカでは「mourning cloak」(喪のマント)といわれています。
「mourning」とは特に死による悲嘆、哀悼、喪、喪中、追悼、喪服、喪章のことを示す言葉です。
また「cloak」(クローク)は袖のないコートやマントを示す言葉です。
チョウは世界各地で人の死や霊に関連する概念があります。
キベリタテハは翅の裏側の色が灰色または黒色なので喪服に結び付けられていると考えられます。 また、黄白色の太い縁が袖のない部分に見えたのでしょう。
2001年にアメリカのモンタナ州の州のチョウに採用されました。
イギリス名
イギリスでは「Camberwell beauty」(キャンバーウェルビューティー)と呼ばれています。
これはロンドン南部にある地域「Camberwell」の場所で最初に発見されたことに由来します。
二人の学者が最初にキベリタテハを発見したときに驚きとその美しさから「beauty」と名を付けました。
これを続けて読むと「Camberwell beauty」(キャンバーウェルビューティー)になります。


まとめ
タテハチョウ属は寿命が長く、翅の裏側が樹皮に似ているのが特徴です。


シレネウズマキタテハ
シレネウズマキタテハ

学名:Callicore pygas
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:一年中
- 分布:中南米

分類
シレネウズマキタテハはタテハチョウ科に属しており、その中のカバタテハ亜科に分けられていてます。
カバタテハ亜科のウズマキタテハ属に分けられています。
カバタテハ亜科はマルバネカスリタテハ・ルリツヤタテハなど多数存在します。
生態
1年を通じて数回発生を繰り返す多化性です。
生息域
ベネズエラ、ガイアナ、エクアドル、ペルー、ボリビア、パラグアイ、ブラジル、エクアドル、アマゾン地域などの主に中南米に生息しています。
熱帯雨林に生息しています。


成虫
シレネウズマキタテハは日中に活動しますが、何を食べているかは不明です。
しかし、オスは砂州などに訪れ、固まった溶岩から生殖に必要なミネラルを吸収していることは確認されています。
固まった溶岩にはミネラル分が多く含まれています。
翅を開張すると4 – 5cm前後になる、小型の蝶です。

幼虫
成熟した幼虫の体色は透明な緑色で、側面に小さな白い斑点が散りばめられています。疣足は黄色です。尾部には二対の黄色の尾があります
頭部は黄色で、二対の黒色の長い角が生えています。
食草はセルジャニア、アロフィラスなどのムクロジ科の植物を食べます。

成虫の見た目

シレネウズマキタテハは翅の裏側の青い金属光沢の模様が特徴的です。
翅の表側は黒色または褐色になっています。前翅の内側の部分は赤色で翅を広げると模様が扇状にみえます。翅の縁付近に白の小さな斑点があります。
後翅は赤色が無く、縁に青い金属光沢のある細長の斑点が3つ並んでいます。
シレネウズマキタテハの翅の裏側は表側と大きく異なります。
翅の裏側の前翅は黒色で内側の部分に赤色があります。表側にあった白の小さな斑点は黄色になり縁に水色が入ります。表側の模様に黄色と水色を足したような見た目です。
後翅には同心円状の黒と黄色の線に囲まれた青い金属光沢の斑点があります。また縁側の黒線の中央にも青い金属光沢のある線があります。内側には赤い斑点が2つあります。


ウズマキタテハ属と人間との関係
ウズマキタテハ属は美しい色合いと金属光沢を持つ蝶達です。また、翅の模様が世界で最も人気のあるチョウの1つであるミイロタテハに似ています。
そのため、人気があり、装飾品やジュエリーまたは土産物などのために翅が使用されています。
人気のある蝶ですがその生活史ははっきりと解明されていません。
研究が進んでいないのはアマゾン地域などの熱帯雨林に生息しているため、見つけづらいのもあるからでしょう。


まとめ
中南米などの熱帯雨林に生息しているチョウは美しい色や金属光沢を持つことが多いです。
たとえば、モルフォチョウ属は翅に金属光沢があります、


シロヒトリ
シロヒトリ

学名:Chionarctia nivea
- 分類:トモエガ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:7 - 9月
- 分布:東アジア

生態
1年に1回発生する一化性です。
生息域
ロシアでは中央アムール、プリモリエ、樺太(サハリン島)、クナシル、シベリアで発見されています。他には中国、韓国、日本に生息しています。
主に東アジアに生息しています。
日本では北海道・本州・四国・九州などに生息しています。
森林、公園、庭、道端などに生息しています。


成虫
シロヒトリは摂食するかは不明です。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。また、街灯などの光に惹かれる性質があります。
敵が近づくと翅を上げて、威嚇します。これは腹側にある警告色を見せるためでもあります。
オスは腹部の先端に「ヘアペンシル」という毛束の生殖器官があります。
これは普段は腹部に収められていて、メスに遭遇した時にヘアペンシルを出し、フェロモンを放出します。このフェロモンには独特な匂いがあり、メスの交尾を促します。
また、ヘアペンシルはチョウやガの種類によって毛束の本数と色が違います。
翅を開張すると5 – 6cm前後になる、中型の蛾です。

幼虫

成熟した幼虫の体色は黒色で、体は茶色の剛毛で覆われています。地上を移動することが多く、ガの幼虫の中では移動速度が速いといわれています。
幼虫は食事の為にほぼ一日中移動し、道路をよく横断します。画像もアスファルトの道路で移動中の姿です。
多くの毛虫と異なり、毛に毒はありません。
幼虫は最大で6cmになります。
食草はスイバ、イタドリ、ギシギシなどのタデ科、タンポポなどのキク科、オオバコなどのオオバコ科の植物を食べます。

成虫の見た目

シロヒトリは真白の翅と腹部と脚にある赤色の模様が特徴です。
基本的に全体は白色で構成されています。 この白色の翅に模様はありません。
腹部は赤と黒の斑点が並んでいます。これを威嚇する時に見せることで警告色を見せます。また、背面は黒の斑点があります。
脚の根元は赤色で先端の部分は白色です。触角は白色または黒色で、目は黒色です。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。


シロヒトリとアメリカシロヒトリ
シロヒトリはアメリカシロヒトリ(学名:Hyphantria cunea)は名前も姿も似ていますが、2種の生態と姿を比べると違いがあります。
リストにすると次のようになります。
シロヒトリ
- 幼虫の姿は茶色の剛毛で覆われている
- 食草はタンポポなどの草を食べる
- 成虫は真っ白な模様のない翅をしている
- 腹部には赤と黒の斑点がある
- 脚の根元が赤色で先端は白
アメリカシロヒトリ
- 幼虫の姿は白色または薄い黄色の剛毛で覆われていて、黒と黄色の斑点がある
- 食草は広食性で主に落葉樹の葉を食べる
- 成虫は白の翅に黒い小さな斑点があるが、真っ白な模様のない翅の個体もいる
- 腹部は白色または茶色
- 脚は白色
幼虫の姿は全く違います。また、シロヒトリは草を食べますが、アメリカシロヒトリは落葉樹の葉を食べます。
成虫の姿は非常に似ていますが、見分ける方法は腹部と脚の根元の赤色の有無を確認することです。
赤色があればシロヒトリ、赤色が無ければアメリカシロヒトリです。
シロヒトリは食害を起こしませんが、アメリカシロヒトリは樹木を枯らす食害を引き起こすので害虫とされています。
また、アメリカシロヒトリに似たキハラゴマダラヒトリ(学名:Spilosoma lubricipedum)がいますが、キハラゴマダラヒトリは腹部が黄色またはオレンジ色をしているため、区別できます


まとめ
個人的な話ですが、私がこのブログを始めるきっかけになった蛾です。真白の美しい翅に衝撃を受けたことを覚えています。


キョウチクトウスズメ
キョウチクトウスズメ

学名:Daphnis nerii
- 分類:スズメガ科
- 前翅長:4 – 5cm前後
- 時期:5 - 10月
- 分布:アフリカ・東南アジア

生態
地域によって1年での発生数は異なります。
ヨーロッパ、日本では2回発生する二化性、アフリカ、インドシナ半島では数回発生を繰り返す多化性です。
生息域
アフリカ、ヨーロッパ南東部に生息していますが、島から島へ移動する渡りをする個体もいます。インドシナ半島などの東南アジア、ハワイ諸島でも確認されています。
日本では九州、奄美大島、南西諸島に生息しています。
主にアフリカ、ヨーロッパ南東部、東南アジアに生息しています。
森林、河川、庭園、オアシスなどに生息しています。


成虫
キョウチクトウスズメはペチュニア、ジャスミン、スイカズラ、サポナリアなどの香りのよい花を好み、吸蜜します。
夕暮れ~夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。日中は葉の裏側などに隠れていますが非常に用心深く、刺激を与えられると日中でも飛行します。
オスがメスと出会えば交尾が始まります。 交尾は約4時間続きます。
また、メスは宿主植物の葉の両側に約4個の卵を並べます。卵は5~12日で孵化します。
翅を開張すると9 – 11cm前後になる、中型の蛾です。

幼虫

成熟した幼虫の体色は明るい緑色で、側面に白い帯があります。背面と側面には小さな白い斑点があります。
頭部付近に大きな眼状紋があります。体がのびるとはっきりとした丸い目のように見えます。眼状紋は中心から白、水色、黒になっています。
スズメガ科の幼虫の特徴である「尾角」があります。若い幼虫は長い黒色の尾角ですが、成長するにつれて尾角の色がオレンジ色に変わり、短くなっていきます。
また、蛹になる直前に体色が茶色へと変化します。
幼虫は最大で8cm前後になります。
食草はキョウチクトウ、ニチニチソウなどのキョウチクトウ科の植物を食べます。

成虫の見た目

キョウチクトウスズメは迷彩柄の鮮やかな翅が特徴です。
基本的に翅全体は緑色で構成されています。前翅は濃い緑、茶色、白、灰色、薄いピンク色などの迷彩柄のような模様をしています。
後翅は中心から灰色が広がっていて、縁には白、茶色の帯模様があります。
胴体は緑色で端が濃い緑色になっています。脚は薄い黄色で、腹部は緑、濃い緑、白色になっています。
触角は薄い黄色です。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。


キョウチクトウスズメと夾竹桃
キョウチクトウスズメの名はキョウチクトウ(夾竹桃)を幼虫が食草としていることから名づけられました。
キョウチクトウはインド原産の木で和名は葉が竹に似ていること、花が桃に似ていることから付きました。
キョウチクトウは強力な毒を持つ木です。毒性がある部分をリストにすると次のようになります。
- 花
- 葉
- 枝
- 果実
- 根
- 周辺の土壌
- 木を燃やした時の煙
木全体はもちろん周辺の土壌、木を燃やした時の煙にも毒が含まれています。
毒の成分はオレアンドリンという強心配糖体で、人間の場合致死量が青酸カリを上回るほど強力な毒です。過去に死亡者が出た例があります。
キョウチクトウスズメの幼虫はキョウチクトウの毒に耐性があり、花や葉を食べて成長します。毒をどのように分解しているのか、どのようにして耐性を持ったのかは、解明されていません。
また、キョウチクトウスズメの体内に毒が存在するかは不明です。


まとめ
キョウチクトウは乾燥や大気汚染に強い園芸種でもあります。そのため、日本では広島県広島市や鹿児島県の鹿児島市などの市の花に指定されています。
九州などにキョウチクトウが植えられているため、日本へ渡って来たキョウチクトウスズメが生息するようになったと思われます。


セクロピアサン
セクロピアサン

学名:Hyalophora cecropia
- 分類:ヤママユガ科
- 前翅長:6 – 8cm前後
- 時期:3 - 7月
- 分布:カナダ・アメリカ北東部

生態
1年に1回発生する一化性です。
生息域
カナダ南部、アメリカ合衆国ではノバスコシア州とメイン州南部からフロリダまでの範囲に生息しています。また、ロッキー山脈でも確認されています。
主にカナダ、アメリカ合衆国北東部に生息しています。
森林、公園、都市、郊外などに生息しています。


成虫
セクロピアサンは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。また、光に惹かれる性質があります。
メスは揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスはフェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。オスがメスに到達すれば交尾が始まります。
交尾は早朝に始まり、夕方まで続きます。また、メスは宿主植物や低木の葉の両側に2〜6個の卵を並べます。卵は10~14日で孵化します。
翅を開張すると13 – 18cm前後になる、北米の在来種で最大の蛾です。

幼虫
成熟した幼虫の体色は明るい青みがかった緑色で、背面や側面のカラフルな突起が特徴です。背面には頭部から順に赤、黄色の突起があります。側面には水色の突起があります。
突起の先端には黒い棘があります。この黒い棘は成長していくと、だんだん小さくなっていきます。
疣足は黄色で、頭部は体色と同じ明るい青みがかった緑色です。
幼虫は最大で11cm前後になります。
食草は広食性で多種多様の植物を食べます。主にカエデ、ブナ、マメ、モクセイ、マツ、ツツジ、バラなどを食べます。

成虫の見た目

セクロピアサンは茶色の翅と赤い三日月模様が特徴です。
基本的に全体は茶色で構成されています。前翅の中央付近は赤色で、白と赤の帯模様があります。縁は白色で前翅には眼状紋があります。
翅に一つずつ赤い三日月模様があります。三日月模様は中心から白、赤、黒になっています。
胴体は赤色で首の部分は白色です。脚は赤色で、腹部は赤と白の縞模様になっています。
触角は黒色です。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。


セクロピアサンの抗生物質
セクロピアサンはセクロピンという物質を体内で作っています。これは人間が風を引いたときに使う抗生物質と同じ役割を持っています。
セクロピンは次のような特性をもっています。
セクロピアサンは、自分自身で抗生物質をつくっているので、もちろん薬の副作用の心配もない。必要に応じてセクロピンを作り出し、自分の体を病原菌から守る。
セクロピアサンは細菌の攻撃を受けると、細菌の細胞膜を破壊し、細菌が体内で増え続けることを防ぐ。細胞膜そのものを破壊するので、何度も抗生物質を使うことで菌が強くなって(耐性を持つと言います)、薬が効きにくくなることもない。
さらにセクロピンは、ケガをしたときにも早く治るような働きをもっている。
また、セクロピンは非常に多くの細菌に対して効果のある物質であることが分かっています。
このような生物が進化的に保存した自然免疫反応のことを、抗微生物ペプチドといいます。
抗微生物ペプチドは新規治療薬として非常に有力な候補とされています。


まとめ
セクロピアサンはセクロピンの実験のほかに、その見た目と体の大きさからコレクターに人気の蛾です。
そのため、卵や蛹が販売されています。

