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タイスアゲハ

タイスアゲハ

学名:Zerynthia polyxena

今回はヨーロッパの花綱、タイスアゲハについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

タイスアゲハはアゲハチョウに属しており、その中のウスバアゲハ亜科に分けられていてます。

ウスバアゲハ亜科のタイスアゲハ属に分けられています。

ウスバアゲハ亜科はアポロウスバシロチョウ・ギフチョウなど多数存在します。

生態

1年を通じて1回発生する一化性です。

生息域

フランス、イタリア、スロバキア、ギリシャなど主に中央・南ヨーロッパに生息しています。

また、カザフスタンやトルコなどにも生息しています。

牧草地、渓谷、湿地に生息しています。

主に中央・南ヨーロッパに生息しているチョウなんだね
イモチャン
暖かく日当たりの良い、開けた場所を好む蝶です
シロヒトリ

成虫

タイスアゲハは日中に活動し、様々な花から吸蜜します。 

オスは自分の縄張りを持ち、縄張りを定期的にパトロールしています。飛翔はゆるやかに飛びます。

夕方になると茂みなどのねぐらに戻り、腹部を曲げて枝に止まり休息します。

翅を開張すると4 – 6cm前後になる、中型の蝶です。

成虫の寿命は約3週間です
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫の体色はベージュ色で、節ごとにオレンジ色の枝分かれした棘があります。このオレンジ色の棘は先端部分が黒色です。疣足はオレンジ色で、気孔は黒色です。

頭部はオレンジ色で、角はありません。

食草は「Aristolochia clematitis」(クレマティティス)などのウマノスズクサ科の植物を食べます。

ウマノスズクサ科の植物は毒性のあるアリストロキア酸を含み、幼虫時代にその葉を食べることによって、体内に毒を蓄えます。この毒は成虫になっても残り続けます。

毒を持つことによって、鳥などの捕食者から身を守っています。

棘の先端には細かい毛が生えているよ!
イモチャン

成虫の見た目

タイスアゲハ

タイスアゲハは黄色の翅と翅の縁の黒い縄模様が特徴的です。

翅の表側は黄色で、黒い翅脈が走っています。前翅は黒い斑点と縁に黒い縄模様と複雑な模様をしています。

後翅は前翅と同じく黄色で、黒い斑点と縁に黒い縄模様があります。縁の模様には薄い青色の斑点と赤い斑点があります。この赤と青の斑点は体に毒があることを示す警告色と考えられています。

オスメスともに見た目に大きな違いは特にありませんが、メスは翅がオスより少し長く、オスよりも明るい色といわれています。

黄色と黒の模様が派手な蝶だね!
イモチャン
英名では「southern festoon」(南部の花綱)と呼ばれています
シロヒトリ

タイスアゲハの英名・学名

英名

タイスアゲハの英名の「festoon」(フェストゥーン)とは花、葉、リボンなどを縄状に編んで、花縄の中央部をたるませ、両端を縛った装飾品や文様のことを示します。

主にローマ時代に盛んに用いられ、イタリア・ルネサンス期やバロック期にも多くみられた文様です。

また、懸華装飾、花綱装飾とも呼ばれます。

学名

タイスアゲハの小種名の「polyxena」(ポリュクセネー)とはギリシャ神話に登場する、トロイアの女王です。

ポリュクセネーはホメーロスの最古期の古代ギリシア詩作品『イーリアス』には登場せず、後世の詩人が『イーリアス』にロマンス要素を追加するために登場させた人物といわれてます。

ポリュクセネーの物語は次のようになります。

あるとき、彼女の兄弟トローイロスが20歳になればトロイアは敗れないだろうとの神託が下った。トロイア戦争中、ポリュクセネーとトローイロスが泉から水を汲んでこようとしたときに待ち伏せされ、トローイロスはギリシアの戦士アキレウスに殺された。アキレウスはポリュクセネーの物静かな賢明さに惹かれるようになった。

パトロクロスの死から立ち直りきっていなかったアキレウスはポリュクセネーの言葉に慰められ、彼女がアポローンの神殿で礼拝した後に会うようになった。アキレウスはポリュクセネーを信じきって、彼の唯一の弱点がかかとであることを明かした。

後に、同じアポローンの神殿でポリュクセネーの兄弟であるパリスとデーイポボスがアキレウスを待ち伏せて、そのかかとに毒矢を撃ちこんだ。これにはアポローンの加護があったとされる。

引用元:Wikipedia「ポリュクセネ-」

パリスの矢で瀕死の重傷を負ったアキレウスはその後死んでしまいます。アキレウスはポリュクセネーに恋をしていました。

ポリュクセネーの死については諸説あり、アキレウスの死後、責任を感じたポリュクセネーがすぐ自殺したという説と、トロイア戦争終結時に死んだという説があります。

ヨーロッパに生息しているからか、ローマやギリシャ関連の名前が付けられているんだね
イモチャン
フェストゥーンは翅の縁の模様から名づけられたと考えられます
シロヒトリ

まとめ

ウスバアゲハ亜科の蝶は変わった形、模様をしている蝶が多いです。

複雑な模様が美しいですね
シロヒトリ
次回はサザン・フランネル・モスについて紹介するよ!
イモチャン

アポロウスバシロチョウ

アポロウスバシロチョウ

学名:Parnassius apollo

今回は太陽神の名を持つ蝶、アポロウスバシロチョウについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

アポロウスバシロチョウはアゲハチョウに属しており、その中のウスバアゲハ亜科に分けられていてます。

ウスバアゲハ亜科のウスバアゲハ属に分けられています。

ウスバアゲハ属はマルバネウスバ・テンシャンウスバなど多数存在します。

生態

春に発生しますが、1年に何回発生するかは不明です。

生息域

スペイン、スカンジナビア、中央ヨーロッパ、バルカン半島、アルプス山脈など主にヨーロッパに生息しています。

また、中央アジアの一部の地域(サハ)にも生息しています。

山地、岩場、高山草原、牧草地を好みます。

主にヨーロッパに生息しているチョウなんだね
イモチャン
標高約1000〜2300mに生息しています
シロヒトリ

成虫

アポロウスバシロチョウは日中に活動し、セダム(マンネングサ)、アザミ、ヤナギなど様々な花から、吸蜜します。

オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。

強力な飛行能力を持ち、山腹を越えて舞い上がります。そのため、頑丈な翅は飛ぶときに、はっきりとした羽ばたき音を立てます。

翅を開張すると6 – 9cm前後になる、中型のアゲハチョウです。

岩に止まって日光浴をします
シロヒトリ

幼虫

成熟した幼虫は体色は黒色で体の横側に小さなオレンジ色の斑点が並んでいます。

体中に短い黒い毛が生えている毛虫です。

食草はベンケイソウの植物を食べます。

岩の多い場所にいるよ!
イモチャン

成虫の見た目

アポロウスバシロチョウ
裏側

アポロウスバシロチョウは和名通りに翅の端がわずかに透明で白い翅が特徴的です。

翅の表側の前翅の下地は白色で黒い斑点があります。 翅の縁は透明で透けています。

翅の表側の後翅には黒で縁取られた赤の目玉模様があります。この印象的な赤い目玉模様は、蝶によってサイズと形が異なり、赤色は太陽で色あせてしまうことが多く、年を取った蝶の目玉模様はオレンジ色に見えます。

翅の裏側はより透明感が増し、翅の内側に赤い斑点があります。

オスメスに見た目の違いはあまりありません。

白と透明の翅がきれいだね!
イモチャン
白の翅に赤い目玉模様が映えますね
シロヒトリ

原始的な蝶

ウスバアゲハ類の蝶は化石などから似たような種類が出てくるため、蝶の中でも原始的な種のグループと考えられています。また、独特な生態を持っています。

ウスバアゲハ類の特徴は、スフラギス(sphragis)です。

これは、交尾中オスは腹部にスフラギと呼ばれる大きなキチン質構造を発達させ、メスの生殖器の開口部を封鎖し、交尾したメスが他のオスと交尾するのを防ぎます。

また、アポロウスバシロチョウは毒を持つ蝶です。

幼虫のころに宿主植物(ベンケイソウ科)から、苦味のあるシアノグルコシドサルメントンシンを体に取り込みます。毒は成虫になっても体にのこっています。毒で鳥などの捕食者から守っています。

特に翅の部分に高濃度のサルメントンシンがあるようです。

見た目も独特だけど生態も変わっているね
イモチャン
また、幼虫はヤスデとミューラー擬態を共有しています
シロヒトリ

まとめ

アポロウスバシロチョウの学名は「Parnassius apollo」(パルナシウス・アポロ)といいます。小種名の「apollo」は太陽神アポローンから来ています。

アポローンはギリシャ神話の男神でオリュンポス十二神の一柱であり、ゼウスの息子です。月の女神アルテミスとは双子で、牧畜と予言の神、また、音楽と詩歌文芸の神といわれています。

属名の「Parnassius」はギリシャ神話のアポローンが住む山、Panassos(パルナッソス)山からきています。

白と透明の翅が好きです
シロヒトリ
次回はジャコウアゲハについて紹介するよ!
イモチャン