タスキアゲハ
学名:Papilio thoas
- 分類:アゲハチョウ科
- 前翅長:5cm前後
- 時期:一年中
- 分布:中央・南アメリカ
生態
1年に数回発生を繰り返す多化性です。
生息域
メキシコ、ペルー、ボリビア、南アメリカ(南はアルゼンチン、ウルグアイ)など主に中央・南アメリカに生息しています。
森林地帯、熱帯雨林、雲霧林、果樹園などに生息しています
成虫
タスキアゲハは日中に活動し、ランタナ、スタキタルフェタ、ブーゲンビラなど様々な花から、吸蜜します。
オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。他の蝶と一緒に約4 – 6匹のグループになって吸水します。
翅を開張すると10 – 13cm前後になる、大型のアゲハチョウです。
幼虫
アゲハチョウ科の幼虫の若い幼虫は鳥の糞に似ていますが、成長すると姿を変えます。
しかし、タスキアゲハの幼虫は成熟しても鳥の糞に似たままの姿をしています。
臭角はオレンジ色または赤色です。
食草はミカン科の植物を食べます。
成虫の見た目
タスキアゲハは和名通りに襷のような体を横切る黄色の線が特徴的です。
翅の表側の前翅の下地は黒色で黄色の線と斑点があります。
翅の表側の後翅の下地は黒色で内側が黄色で外縁に黄色の三日月模様が並んでいます。外縁の内側に赤い斑点があります。
後翅の内側が黄色であるため、前翅の模様と合わせると体を横切る黄色の線に見えます。
翅の裏側は下地が黄色で黒の翅脈があり、表側の色と反転しています。翅の裏側の後翅には青い斑点と赤い斑点があります。
カラスアゲハの名前
タスキアゲハの学名は「Papilio thoas」で、小種名の「thoas」(トアース)はギリシャ神話の登場人物の名前です。
トアースの名を持つギリシャ神話の登場人物は主に4名います。リストにすると次のようになります。
- ディオニューソスの子、レームノス島の王
- ヒュプシュプレーの子、レームノス島の王トアースの娘ヒュプシピュレーとイアーソーンの子
- ポリュステネースの子、タウリケーの王
- アンドライモーンの子、アイトーリアの王
このように見ると3人が王で1人が王族です。
そのため、タスキアゲハは英名では「king swallowtail」(王のアゲハチョウ)と呼ばれています。
まとめ
また、タスキアゲハは「Heraclides thoas」(ヘラクレイデス・トアース)とも呼ばれます。
ヘラクレイデスは古代ギリシャの哲学者で、地動説に近い概念の宇宙体系を考えた1人とされています。