ウスイロトラフアゲハ
学名:Papilio eurymedon
- 分類:アゲハチョウ科
- 前翅長:4 – 5cm前後
- 時期:4 - 10月
- 分布:アメリカ西部
分類
ウスイロトラフアゲハはアゲハチョウ科に属しており、その中のアゲハチョウ亜科に分けられていてます。
アゲハチョウ亜科のトラフアゲハ群に分けられています。
トラフアゲハ群はトラフアゲハ・ニシトラフアゲハなど多数存在します。
生態
1年で1 – 2回発生する多化性です。
生息域
アメリカ合衆国では北はブリティッシュコロンビアから南はニューメキシコ州まで、カリフォルニア、バハカリフォルニアなど主にアメリカ西部に生息しています。
森林、山地、丘陸、郊外などに生息しています。
成虫
ウスイロトラフアゲハは日中に活動し、イエルバサンタやウォールフラワーなどの様々な花から吸蜜します。
オスは湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。
成虫は5 – 7月が最も見られる時期です。
翅を開張すると9 – 12cm前後になる、大型の蝶です。
幼虫
成熟した幼虫の緑色で、胸部に黄色の帯が1本あります。頭部付近に小さい2つの眼状紋があります。臭角は赤色です。
幼虫は脱皮直前に体全体が茶色に変化します。
食草はセイヨウミザクラなどのバラ科の植物を食べます。
成虫の見た目
ウスイロトラフアゲハはクリーム色と黒い虎模様が特徴的です。
表側の翅の下地はクリーム色で4つの黒い虎模様が特徴的です。前翅は縁は黒で小さな黄色の斑点が並んでいます。
表側の後翅の内側の縁には小さなオレンジの斑点と青い斑点があります。
翅の裏側は色が全体的に薄くなります。また性別で見た目に違いはありません。
広く支配する者
ウスイロトラフアゲハの小種名の「eurymedon」(エウリュメドン)は古代ギリシャ語で「広く支配する者」という意味です。
ギリシャ神話でエウリュメドンの名を持つ者は数人います。代表的な人物をリストにすると次のようになります。
- ギガースの王 ・・・人々に破壊をもたらし自身の傲慢さによって滅ぼされた
- ミーノースの子 ・・・ミーノースとその側室のパレイアの4人の息子の1人
- アリアドネの子 ・・・アリアドネの息子、アルゴタイナイの一人
他にもトロイア戦争に参加したミュケーナイの王アガメムノーンの御者でペイライオスの孫で、プトレマイオスの子のエウリュメドンがいます。
アメリカ西部に広く生息しているので、「広く支配する者」という意味の名前が付けられたのかもしれません。
まとめ
ウスイロトラフアゲハと同じ生息域にトラフアゲハ群のニシトラフアゲハ(学名:Papilio rutulus)がいますが、ニシトラフアゲハは色が濃い黄色なので区別しやすいです。