タイリクフタオチョウ
学名:Polyura eudamippus
- 分類:タテhハチョウ科
- 前翅長:4 – 5cm前後
- 時期:3 - 9月
- 分布:東南アジア
分類
タイリクフタオチョウはタテハチョウ科に属しており、その中のフタオチョウ亜科に分けられていてます。
フタオチョウ亜科のフタオチョウ属に分けられています。
フタオチョウ属はヒメフタオチョウ・クギヌキフタオチョウなど多数存在します。
生態
1年のうちに2 – 3回発生を繰り返す、多化性です。
生息域
インド、ブータン、ビルマ、マレーシア、インドシナ、中国、台湾など東南アジアに生息しています。
原生林や二次林、川岸に生息しています。
成虫
タイリクフタオチョウは日中に活動し、樹液や腐った果物、獣糞の汁を吸います。
オスは湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。
翅を開張すると9 – 12cm前後になる。大型のタテハチョウです。
2〜3匹のオスが地面に集まり、糞を熱心に食べているのが一般的です。
幼虫
幼虫は体色が緑色で、全身が小さな棘でおおわれています。背中の真ん中には白い帯模様があります。疣足は緑色です。
頭部には、4つの緑色の長い角があります。また、頭部の真ん中に赤い角が2本あります。
食草はアルビジアなどのマメ科の植物を食べます。
成虫の見た目
タイリクフタオチョウは和名通り、尾状突起が2本あります。
表側と裏側で翅の模様が大きく異なります。
表側の翅の下地はクリーム色で、前翅の外縁は黒色です。後翅は外縁に黒とクリーム色の目玉模様が並んでいます。尾状突起は黒に青色が混じります。
裏側は下地は白色でYのように見えるオレンジ色の模様が特徴です。また、外縁にはオレンジ色で黒い小さな斑点があります。
残念ながら画像の個体は尾状突起が2本折れています。
タイリクフタオチョウとフタオチョウ
実はタイリクフタオチョウはつい最近に、日本原産のフタオチョウと区別するために付けられた名前です。
タイリクフタオチョウは「Polyura eudamippus」で日本産のタイリクフタオチョウは「P. e. weismanni」と亜種名が付けられていました。
現在では日本産のフタオチョウは「Polyura weismanni」と亜種名だった「weismanni」がそのまま小種名に昇格し、別種になったのです。
日本では沖縄本島全域と古宇利島、瀬底島に分布します。 日本で唯一、尾状突起を2本持つタテハチョウです。 沖縄県では天然記念物に指定されていて、採集は禁じられています。
また、成虫や幼虫もタイリクフタオチョウと異なる点が多く見られます。
日本原産のフタオチョウの特徴をリストにすると次のようになります。
- 成虫の翅の模様が表側と裏側ともに黒い部分が多め
- Yのように見えるオレンジ色の模様が太め
- 幼虫に白い帯模様が無い
- 幼虫の頭部の角に黄色い模様がある
- 幼虫の食草がヤエヤマネコノチチなどのクロウメモドキ科、クワノハエノキなどのニレ科の植物を食べる
比べてみるとタイリクフタオチョウと大きく異なります。特に幼虫の食草が大きく異なります。
そのため、日本原産は「フタオチョウ」、インドや中国産などは「タイリクフタオチョウ」と分けられるようになりました。
まとめ
フタオチョウ属の蝶は2本の尾状突起が特徴的です。
また謎が多い蝶で、研究が進められています。模様も独特なものが多いです。