アメリカタテハモドキ
学名:Junonia coenia
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2cm前後
- 時期:不明
- 分布:アメリカ大陸
分類
アメリカタテハモドキはタテハチョウ科に属しており、その中のタテハチョウ亜科に分けられていてます。
タテハチョウ亜科のタテハモドキ属に分けられています。
タテハモドキ属はハイイロタテハモドキ・ルリボシタテハモドキなど多数存在します。
生態
1年に何回発生するかは不明です。
生息域
カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ、キューバなど主にアメリカ大陸に生息しています。
森林、川岸、砂丘、草原、牧草地など広い範囲に生息しています。
成虫
アメリカタテハモドキは日中に活動し、ランタナなどの花から吸蜜します。
アメリカタテハモドキは9 – 10月の寒冷前線の後、北または北西に向かう追い風とともに南に移動します。
蝶は寒さに敏感で、極端な寒さを経験する北部地域で冬を過ごすことができません。春になると南から北方に移動します。
翅を開張すると5 – 6cm前後になる、小型の蝶です。
幼虫
成熟した幼虫は複雑な模様をしています。主に体色は黒で、明るい色のライン(オレンジ、グレー、白、茶色)は個体によって異なります。側面には白い模様とオレンジの斑点があります。疣足は茶色です。
また、背中と側面に沿って棘があり、この棘は枝分かれしています。
頭部はオレンジ色で顔に黒の模様があり、黒色の二対の短い角があります。
食草はオオバコ、マツバウンランなどのオオバコ科の植物を食べます。
成虫の見た目
アメリカタテハモドキは翅の眼状紋とオレンジ色が特徴的です。
翅の表側の前翅の下地は茶色で、翅の内側にオレンジ色の縦模様があり、白い帯模様があります。外縁付近に小さい眼状紋と大きい眼状紋があります。両方の眼は中心から青、黒、黄、黒で構成されています。
翅の表側の後翅の下地は茶色で、外縁に向かってオレンジの帯模様があります。中心が黒、青、オレンジ、黄、黒で構成される2つの眼状紋があります。
翅の裏側は色が全体的に薄くなり、前翅には眼状紋がありますが、後翅にはありません。
花と昆虫の関係
アメリカタテハモドキは初期の段階では、黄色と赤の花をほぼ均等に食べますが、時間が経つにつれて黄色の花にのみ集中して訪れます。
これは黄色の花の方が蜜が多いと学習するからです。
説明すると次のようになります。
ランタナなどの一部の花は時間が経つと色が変わります。
これは花色を構成する複数の色素が時間が経つにつれて合成されていくので花の色が変わります。
花色の変化は昆虫に花の熟度を知らせるサインにもなります。ランタナは黄から赤に変わりますが、アメリカタテハモドキは蜜の多い黄色い花を選んで、蜜を吸いに行きます。
黄から赤色に変わったランタナは古い花で蜜を出さないので、学習した蝶は訪れません。
つまり、アメリカタテハモドキは花の色を学習して食料を効率的に食べて、花は昆虫を花粉媒介者として未受粉の花を集中的に巡回させます。花と昆虫で一種の相利関係が成立しています。
参考文献:したたかな植物たち(著:多田多恵子)
まとめ
タテハモドキ属の祖先はアフリカにまでさかのぼり、アフリカからアジアに拡大し、その後アメリカ大陸に渡って来たと考えられています。