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Posted on by 白氷蛾
1年に1回発生する一化性です。
ロシアでは中央アムール、プリモリエ、樺太(サハリン島)、クナシル、シベリアで発見されています。他には中国、韓国、日本に生息しています。
主に東アジアに生息しています。
日本では北海道・本州・四国・九州などに生息しています。
森林、公園、庭、道端などに生息しています。
シロヒトリは摂食するかは不明です。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。また、街灯などの光に惹かれる性質があります。
敵が近づくと翅を上げて、威嚇します。これは腹側にある警告色を見せるためでもあります。
オスは腹部の先端に「ヘアペンシル」という毛束の生殖器官があります。
これは普段は腹部に収められていて、メスに遭遇した時にヘアペンシルを出し、フェロモンを放出します。このフェロモンには独特な匂いがあり、メスの交尾を促します。
また、ヘアペンシルはチョウやガの種類によって毛束の本数と色が違います。
翅を開張すると5 – 6cm前後になる、中型の蛾です。
成熟した幼虫の体色は黒色で、体は茶色の剛毛で覆われています。地上を移動することが多く、ガの幼虫の中では移動速度が速いといわれています。
幼虫は食事の為にほぼ一日中移動し、道路をよく横断します。画像もアスファルトの道路で移動中の姿です。
多くの毛虫と異なり、毛に毒はありません。
幼虫は最大で6cmになります。
食草はスイバ、イタドリ、ギシギシなどのタデ科、タンポポなどのキク科、オオバコなどのオオバコ科の植物を食べます。
シロヒトリは真白の翅と腹部と脚にある赤色の模様が特徴です。
基本的に全体は白色で構成されています。 この白色の翅に模様はありません。
腹部は赤と黒の斑点が並んでいます。これを威嚇する時に見せることで警告色を見せます。また、背面は黒の斑点があります。
脚の根元は赤色で先端の部分は白色です。触角は白色または黒色で、目は黒色です。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。
シロヒトリはアメリカシロヒトリ(学名:Hyphantria cunea)は名前も姿も似ていますが、2種の生態と姿を比べると違いがあります。
リストにすると次のようになります。
シロヒトリ
アメリカシロヒトリ
幼虫の姿は全く違います。また、シロヒトリは草を食べますが、アメリカシロヒトリは落葉樹の葉を食べます。
成虫の姿は非常に似ていますが、見分ける方法は腹部と脚の根元の赤色の有無を確認することです。
赤色があればシロヒトリ、赤色が無ければアメリカシロヒトリです。
シロヒトリは食害を起こしませんが、アメリカシロヒトリは樹木を枯らす食害を引き起こすので害虫とされています。
また、アメリカシロヒトリに似たキハラゴマダラヒトリ(学名:Spilosoma lubricipedum)がいますが、キハラゴマダラヒトリは腹部が黄色またはオレンジ色をしているため、区別できます
個人的な話ですが、私がこのブログを始めるきっかけになった蛾です。真白の美しい翅に衝撃を受けたことを覚えています。
地域によって1年での発生数は異なります。
ヨーロッパ、日本では2回発生する二化性、アフリカ、インドシナ半島では数回発生を繰り返す多化性です。
アフリカ、ヨーロッパ南東部に生息していますが、島から島へ移動する渡りをする個体もいます。インドシナ半島などの東南アジア、ハワイ諸島でも確認されています。
日本では九州、奄美大島、南西諸島に生息しています。
主にアフリカ、ヨーロッパ南東部、東南アジアに生息しています。
森林、河川、庭園、オアシスなどに生息しています。
キョウチクトウスズメはペチュニア、ジャスミン、スイカズラ、サポナリアなどの香りのよい花を好み、吸蜜します。
夕暮れ~夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。日中は葉の裏側などに隠れていますが非常に用心深く、刺激を与えられると日中でも飛行します。
オスがメスと出会えば交尾が始まります。 交尾は約4時間続きます。
また、メスは宿主植物の葉の両側に約4個の卵を並べます。卵は5~12日で孵化します。
翅を開張すると9 – 11cm前後になる、中型の蛾です。
成熟した幼虫の体色は明るい緑色で、側面に白い帯があります。背面と側面には小さな白い斑点があります。
頭部付近に大きな眼状紋があります。体がのびるとはっきりとした丸い目のように見えます。眼状紋は中心から白、水色、黒になっています。
スズメガ科の幼虫の特徴である「尾角」があります。若い幼虫は長い黒色の尾角ですが、成長するにつれて尾角の色がオレンジ色に変わり、短くなっていきます。
また、蛹になる直前に体色が茶色へと変化します。
幼虫は最大で8cm前後になります。
食草はキョウチクトウ、ニチニチソウなどのキョウチクトウ科の植物を食べます。
キョウチクトウスズメは迷彩柄の鮮やかな翅が特徴です。
基本的に翅全体は緑色で構成されています。前翅は濃い緑、茶色、白、灰色、薄いピンク色などの迷彩柄のような模様をしています。
後翅は中心から灰色が広がっていて、縁には白、茶色の帯模様があります。
胴体は緑色で端が濃い緑色になっています。脚は薄い黄色で、腹部は緑、濃い緑、白色になっています。
触角は薄い黄色です。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。
キョウチクトウスズメの名はキョウチクトウ(夾竹桃)を幼虫が食草としていることから名づけられました。
キョウチクトウはインド原産の木で和名は葉が竹に似ていること、花が桃に似ていることから付きました。
キョウチクトウは強力な毒を持つ木です。毒性がある部分をリストにすると次のようになります。
木全体はもちろん周辺の土壌、木を燃やした時の煙にも毒が含まれています。
毒の成分はオレアンドリンという強心配糖体で、人間の場合致死量が青酸カリを上回るほど強力な毒です。過去に死亡者が出た例があります。
キョウチクトウスズメの幼虫はキョウチクトウの毒に耐性があり、花や葉を食べて成長します。毒をどのように分解しているのか、どのようにして耐性を持ったのかは、解明されていません。
また、キョウチクトウスズメの体内に毒が存在するかは不明です。
キョウチクトウは乾燥や大気汚染に強い園芸種でもあります。そのため、日本では広島県広島市や鹿児島県の鹿児島市などの市の花に指定されています。
九州などにキョウチクトウが植えられているため、日本へ渡って来たキョウチクトウスズメが生息するようになったと思われます。
1年に1回発生する一化性です。
カナダ南部、アメリカ合衆国ではノバスコシア州とメイン州南部からフロリダまでの範囲に生息しています。また、ロッキー山脈でも確認されています。
主にカナダ、アメリカ合衆国北東部に生息しています。
森林、公園、都市、郊外などに生息しています。
セクロピアサンは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。また、光に惹かれる性質があります。
メスは揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスはフェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。オスがメスに到達すれば交尾が始まります。
交尾は早朝に始まり、夕方まで続きます。また、メスは宿主植物や低木の葉の両側に2〜6個の卵を並べます。卵は10~14日で孵化します。
翅を開張すると13 – 18cm前後になる、北米の在来種で最大の蛾です。
成熟した幼虫の体色は明るい青みがかった緑色で、背面や側面のカラフルな突起が特徴です。背面には頭部から順に赤、黄色の突起があります。側面には水色の突起があります。
突起の先端には黒い棘があります。この黒い棘は成長していくと、だんだん小さくなっていきます。
疣足は黄色で、頭部は体色と同じ明るい青みがかった緑色です。
幼虫は最大で11cm前後になります。
食草は広食性で多種多様の植物を食べます。主にカエデ、ブナ、マメ、モクセイ、マツ、ツツジ、バラなどを食べます。
セクロピアサンは茶色の翅と赤い三日月模様が特徴です。
基本的に全体は茶色で構成されています。前翅の中央付近は赤色で、白と赤の帯模様があります。縁は白色で前翅には眼状紋があります。
翅に一つずつ赤い三日月模様があります。三日月模様は中心から白、赤、黒になっています。
胴体は赤色で首の部分は白色です。脚は赤色で、腹部は赤と白の縞模様になっています。
触角は黒色です。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。
セクロピアサンはセクロピンという物質を体内で作っています。これは人間が風を引いたときに使う抗生物質と同じ役割を持っています。
セクロピンは次のような特性をもっています。
セクロピアサンは、自分自身で抗生物質をつくっているので、もちろん薬の副作用の心配もない。必要に応じてセクロピンを作り出し、自分の体を病原菌から守る。
セクロピアサンは細菌の攻撃を受けると、細菌の細胞膜を破壊し、細菌が体内で増え続けることを防ぐ。細胞膜そのものを破壊するので、何度も抗生物質を使うことで菌が強くなって(耐性を持つと言います)、薬が効きにくくなることもない。
さらにセクロピンは、ケガをしたときにも早く治るような働きをもっている。
また、セクロピンは非常に多くの細菌に対して効果のある物質であることが分かっています。
このような生物が進化的に保存した自然免疫反応のことを、抗微生物ペプチドといいます。
抗微生物ペプチドは新規治療薬として非常に有力な候補とされています。
セクロピアサンはセクロピンの実験のほかに、その見た目と体の大きさからコレクターに人気の蛾です。
そのため、卵や蛹が販売されています。
アメリカシロヒトリはトモエガ科(Erebidae)に属しており、ヒトリガ亜科(Arctiidae)に分けられています。
ヒトリガ亜科のハイファントリア属(Hyphantria)に分けられています。
トモエガ科はノンネマイマイ、ハイパーコンプ・スクリボニアなど多数存在します。
1年に2回発生する二化性です。時期は5 – 6月、7 – 9月に発生します。
北アメリカ原産の蛾でヨーロッパ、中国、韓国、日本などに外来種として移入分布しています。
日本では本州・四国・九州などに生息しています。
森林、公園、庭などに生息しています。
アメリカシロヒトリは摂食するかは不明です。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。また、光に惹かれる性質があります。
交尾は約30〜60分間かけて行われます。卵は約200~1000個の塊で葉の裏に付けられます。
卵は約1週間で孵化します。
翅を開張すると2 – 4cm前後になる、小型の蛾です。
成熟した幼虫の体色は灰色で、黒と黄色の斑点が節ごとに並んでいます。体は白色または薄い黄色の剛毛で覆われています。
多くの毛虫と異なり、毛に毒はありません。しかし、アレルギー反応を引き起こすことがあるので触るのは危険です。
幼虫は最大で3.5cmになります。
食草は広食性で主に落葉樹の葉を食べます。サクラ、ヤナギ、カキ、コナラ、リンゴなどおよそ100種類以上の樹木に害を及ぼすといわれています。
世界中で636種の樹木の葉を食べることが記録されており、最も広食性である昆虫の1つと考えられています。
アメリカシロヒトリは白色の翅とゴマのような小さな黒い斑点が特徴です。
基本的に全体は白色で構成されています。 この白色の翅にゴマのような小さな黒い斑点が混じります。しかし斑点が無い個体もいます。
北部では斑点が無い白い個体、南部では黒い斑点がある個体が出現する傾向があるようです。
腹部は白または茶色です。また、脚は白色と黒色で構成されていますが黄色の斑点がある個体もいます。
オスメスともに見た目に大きな違いはありません。
アメリカシロヒトリは北アメリカ原産の蛾ですが、第二次世界大戦後の貿易による物資に付いて渡来し、世界中に生息範囲を急速に広げました。
幼虫の習性によって、植物に甚大な被害を与えることで害虫として扱われています。その習性は次のようになります。
孵化した幼虫は糸を吐いて巣を作ります、巣の中で約10日間集団で葉を食べ、葉全体を食べると分散します。
分散した後、そのまま放置すると周囲の樹木まで被害が及びます。
枝や樹木全体が落葉することがあります。大量発生すると辺りの樹木を丸坊主にすることがあります。
繁殖力が非常に強く、メスは卵を約200~1000個産み、約1週間で孵化します。
また、メスは産卵後新しく産まれた卵を腹部の毛で覆うことによって卵を保護します。
幼虫自身も防御行動をとります。例えば、仲間と一緒に揺れたりけいれんしたり、生き物が嫌う匂いを出したりします。
日本では1970年代から1980年代にかけて大発生しました。また、糞によって樹木の周辺が汚れる被害もあります。
現在でもアメリカシロヒトリを駆除する薬剤散布が全国各地で行われています。また、幼虫が分散する前に巣ごと枝を切り落として駆除する方法もあります。
鳥や寄生バチなどの捕食者によって、大規模な発生は減ったとされています。
子どもの頃に、毎年母が「今日はアメシロの日だから、窓を開けないでね」と言っていました。
アメシロは毛虫だということは知っていましたが、アメリカシロヒトリの略した名前ということは成人した後に知りました。
また、成虫の姿を見たのも大人になってからです。
ハイパーコンプ・スクリボニアはトモエガ科(Erebidae)に属しており、ヒトリガ亜科(Arctiidae)に分けられています。
ヒトリガ亜科のハイパーコンプ属(Hypercompe)に分けられています。
Nieukerken et al. (2011)に従い、ヒトリガ科とドクガ科はトモエガ科に含まれるようになりました。
そのため、アメリカシロヒトリなどのヒトリガ科は、トモエガ科ヒトリガ亜科と亜科として再分類されました。
※本種は和名が名づけられていません。本記事では学名を和訳した通称で紹介していきます。
地域によって発生数は異なります。北部では1回発生する一化性で、南部では2回発生する二化性です。
ニューイングランド地方、フロリダ州、ミシガン州、アーカンソー州、テキサス州などの主にアメリカ合衆国南東部に生息しています。
また、カナダのオンタリオ州などの北部、メキシコやパナマなどの南部にも生息しています。
森林、公園、草原などに生息しています。
ハイパーコンプ・スクリボニアは摂食するかは不明です。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。また、オスは光に惹かれる性質があります。
交尾中、オスの翅がメスの体の大部分を覆います。これにより、メスの翅の鱗粉が失われ、飛行に悪影響を及ぼすことがあります。交尾後のメスは翅の後ろ側の部分が透明になります。
ハイパーコンプ・スクリボニアの交尾は非常に長く、24時間以上かかります。
交尾中はほとんど動かないままですが、場所から場所に移動して体温調節し、暑すぎると影のある場所に行き、寒すぎると日光に当たる場所に移動します。
翅を開張すると6 – 9cm前後になる、中型の蛾です。
成熟した幼虫の体色は黒と赤の縞模様になっています。体は光沢のある黒い剛毛で覆われています。しかし、腹側には毛が一切ありません。
多くの毛虫と異なり、毛に毒はありません。しかし、体内に毒があると考えられています。
触ると腹側を守るために体をボールのように丸めます。
食草は広食性で多種多様の植物を食べます。主にオオバコ、クワ、バナナ、レタス、柑橘類などの植物を食べます。
ハイパーコンプ・スクリボニアは白色の翅と豹のような斑点が特徴です。
基本的に全体は白色で構成されています。 この白色の翅に規則的な青黒色の斑点が混じります。しかし斑点は、黒色で中心が白の斑点など個体差があります。
また、脚は白色と黒色で構成されています。
ハイパーコンプ・スクリボニアには性的二系があります。 オスの方が体が大きく、メスの方がオスより体が小さいです。
ハイパーコンプ・スクリボニアは全体的にモノトーンの色合いですが、胴体の色は非常に派手で毒々しい見た目をしています。
胴体はオレンジ色で光沢のある紺色の模様があります。
成虫は捕食者に脅かされたときに「死んだふり」をし、腹部を丸めて明るい派手な色の胴体を見せます。これは警告色を見せることで捕食者に捕食されないようにする行動であると考えられています。
また、化学的防御として、黄色の液体を放出します。これには苦みがあるそうです。
今までの記事で紹介したヒトリガ科とドクガ科をトモエガ科に修正、統合しました。
2011年と比較的最近に再分類されたため、まだまだ浸透していないかもしれませんが、このブログでは今後ヒトリガ科とドクガ科はトモエガ科と示すことにします。
サザン・フランネル・モスはメガロピギア科(Megalopygidae)に属しており、メガロピージ属(Megalopyge)に分けられています。
メガロピギア科は北アメリカ大陸と新熱帯区などに生息しているガです。
※本種は和名が名づけられていません。本記事では学名を和訳した通称で紹介していきます。
1年に2 – 3回発生する多化性です。時期は5 – 10月ですが、一部の地域では1年中見られるそうです。
ニュージャージー州、フロリダ州、バージニア州、アーカンソー州、テキサス州などの主にアメリカ合衆国南東部に生息しています。
また、メキシコや中央アメリカの一部にも生息しています。
落葉樹林、公園、庭園などに生息しています。
サザン・フランネル・モスは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。寿命は約5 – 7日です。
交尾した後にメスは宿主植物の葉に卵を産み付けます。
翅を開張すると2.4 – 3.5cm前後になる、小型の蛾です。
成熟した幼虫の画像はこちらです。
成熟した幼虫の体色は白色や茶色、灰色など様々な色の個体がいます。体が長毛で覆われているのが特徴で毛皮ともいわれています。しかし、腹側には毛が一切ありません。
幼虫は成長するごとに毛むくじゃらになっていきます。動き回るときにまたは、摂食時に頭が露出する時があります。
食草は広食性で多種多様の植物を食べます。主にオーク、ニレ、ワイルドプラム、バラなどの園芸植物を食べます。
サザン・フランネル・モスはクリーム色の翅と太い脚が特徴です。
基本的に全体はクリーム色で構成されています。 このクリーム色の翅に茶色の模様が混じります。翅脈は白色で翅全体に走っています。
また、脚が太く毛深いのが特徴です。脚の内側は白色で外側は黒色になっています。
胴体はクリーム色です。
サザン・フランネル・モスには性的二系があります。
メスの触覚はシンプルな形をしていて、短く糸のように見えます。また、体はオスよりメスの方が大きいです。オスの触覚はメスに比べて大きめになっています。また、オスの方が黒い模様が多いようです。
サザン・フランネル・モスは幼虫・成虫ともに「puss」(子猫)と称されるほどかわいらしい見た目をしていますが、幼虫・成虫ともに猛毒の棘を持っています。
体に触ると激痛が走り、以下のような症状が現れます。
最悪の場合、呼吸困難などの重篤症状に襲われ死亡する可能性があります。このように触ると死亡する可能性があるので、絶対に触ってはいけません。
応急処置として、まず棘を粘着テープなどで取り除きます。残った毒液を水や石鹸で取り除きます。アイスパックや重曹などで痛みを軽減させて、病院にいくのが最善といわれてます。
北アメリカ大陸で最も強い毒を持つ蛾といわれています。また、猛毒の棘の成分は詳しく解明されていません。
このように猛毒の棘を持っていますが、まだ毛が無い卵や若い幼虫、繭の状態の時に一部のトカゲやハエなどの捕食者に襲われるそうです。
幼虫は多くの葉を食べるため、木を枯れさせることもあります。
1年に1回発生する一化性です。
フランスのパリから南西スイス、イベリア半島、モロッコとアルジェリアの沿岸地域まで、南は北アフリカ、西はイランまで、中央ヨーロッパと中近東の暖かい地域に生息しています。
主に中央ヨーロッパ・北アフリカに生息しています。
森林、公園、果樹園などに生息しています。
オオクジャクヤママユは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。光に惹かれる性質があります。
メスは夜に揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスはフェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。オスがメスに到達すれば交尾が始まります。
交尾は約22時間続きます。交尾後メスによって、約30個の卵が木の枝または幹に5 – 8個繋がって置かれます。残りの卵は宿主植物の葉と小枝の上に置かれます。
翅を開張すると15 – 20cm前後になる、大型の蛾です。これは中央ヨーロッパ最大の蛾になります。
体が大きいため、飛んでいる姿がコウモリに間違えられることがあります。
成熟した幼虫の体色は明るい緑色で、細長い毛が節ごとに生えています。毛が生えている根本は水色です。気孔は白で黒色で縁取られています。体の側面の下側に白いラインが走っています。
頭部は褐色で、危険を感じると下顎を急速に振動させて鳴くことができます。
体長は12cm前後になります。
食草は広食性で多種多様な植物を食べます。主にクルミ、リンゴ、プラム、アーモンド、ニレ、ヤナギなどを食べます。
果樹園では殺虫スプレーによって、駆除されています。
オオクジャクヤママユは白茶色の翅と眼状紋が特徴です。
基本的に全体は白茶色で構成されています。各翅には眼状紋が1つずつあります。 翅に濃い茶色と白の波模様があります。縁は白色で、外側に向かって薄い茶色になります。
また、茶色の部分に赤色が混じる個体がいます。
胴体は茶色で白の縞模様があります。
オオクジャクヤママユには性的二系があります。メスの触覚はシンプルな形をしていますが、オスの触角は櫛歯状になっています。しかし、オスメスで翅の模様に大きな違いはありません。
オオクジャクヤママユは「giant emperor moth」(巨大な皇帝蛾)や「Viennese emperor」(ウィーンの皇帝)とも呼ばれます。
「Viennese」(ウィーン)とは中央ヨーロッパの国、オーストリアの首都です。ウィーン市の西部にはアルプス山脈の一部であるウィーンの森があります。
ウィーンの夏は適度な暑さで平均気温は22-26℃で、最高気温は30℃を超えることもあり最低気温は15℃位です。
また、ヤママユガ科などの大きな蛾は「emperor」(皇帝)の名が付きやすい傾向があります。
オオクジャクヤママユに適した環境と生息地、その体の大きさからこのような名前が付けられたと考えられます。
個人的に幼虫と成虫の見た目のギャップが激しいガだと思います。
ノンネマイマイはトモエガ科に属しており、ドクガ亜科に分けられています。
マイマイガ属に分けられています。
ドクガ亜科はヤナギドクガ、マイマイガなど多数存在します。
1年に1回発生する一化性です。
主にヨーロッパ、ユーラシア大陸に生息しています。
日本では北海道・本州・九州・南西諸島など全国的に見られます。
森林、山地などに生息しています。
ノンネマイマイは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
ドクガ科に属していますが、成虫幼虫共に毒はありません。しかし。1齢幼虫には毒毛があり、触るとかぶれや発疹がおきます。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。
メスは夜に揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスはフェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。オスがメスに到達すれば交尾が始まります。
交尾したメスはフェロモンの放出を止めて、木の樹皮の隙間に約20 – 50個の卵を産みます。
翅を開張すると4 – 5cm前後になる、小型の蛾です。
成熟した幼虫の体色は灰色で全身白い毛で覆われた毛虫です。背面に2列の青い突起と中央にオレンジ色の突起が並んでいます。
体長は6cm前後になります。
食草は広食性で多種多様な広葉樹を食べます。主にヨーロッパトウヒ、カラマツ、松、シラカンバ、ブナ、クヌギなどを食べます。
非常に食欲旺盛で落葉を引き起こし、ヨーロッパトウヒや松の木が死んでしまうことがあります。
ヨーロッパでは林業に大きな損害を与える、森林害虫とされています。
ノンネマイマイは白い翅と黒の斑点・縞模様が特徴です。
基本的に全体は白色で構成されています。翅には黒の斑点と複雑な縞模様があります。 この模様は個体ごとに異なり、同じ模様を持った個体はいないといわれています。
首の周りには赤い毛があります。胴体は白っぽいピンク色で黒の縦線があります。
ノンネマイマイには性的二系があります。メスの触覚はシンプルな形をしていますが、オスの触角は櫛歯状になっています。また、オスの羽は丸みがありません。
ノンネマイマイの「Nonne」(ノンネ)はドイツ語で尼僧・修道女を示す言葉です。
マイマイガは漢字で書くと「舞々蛾」になります。飛んでいる姿がひらひらと舞っているように見える蛾と言う意味で付けられました。
また、英名で「nun moth」(修道女蛾)と呼ばれています。
修道女(シスター)のような配色と美しさ、ひらひらと舞う姿からこのような名前がつけられたのかもしれません。
ドクガ亜科の成虫はオスとメスの見た目・模様が大きく異なっているものもいますが、ノンネマイマイはオスとメスで大きな違いは特にありません。
1年に1回発生する一化性です
カナダ南部から、アメリカ合衆国ではニューイングランドと南部のフロリダキーまで、そして西はネブラスカまで記録されています。
主にカナダ南部、アメリカ東部に生息しています。
成虫は北部では6 – 8月に出現しますが、南部では4 – 10月に出現する傾向があります。
森林、原生林、落葉樹林、郊外などに生息しています。
イーグルス・インペリアリスは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。 成虫は日の出前に現れ、翌日の真夜中以降に交尾します。
また、メスは夕暮れに単独で、宿主植物の葉の両面に2 – 5匹ずつ産卵します。卵はおよそ10日から2週間で孵化します。
翅を開張すると8 – 17cm前後になる、中~大型の蛾です。
成熟した幼虫の体色は個体差があり、こげ茶色、または緑色です。気孔周りの模様はこげ茶色の個体は白色で、緑色の個体は黄色です。
背面の頭部付近に4本の角が生えています。頭部はこげ茶色の個体はオレンジ、緑色の個体は黄色です。
体長は7 – 10cm前後になります。
食草は広食性で多種多様な広葉樹を食べます。主に松、コナラ、カエデ、モミジバフウ、ユーカリなどを食べます。
イーグルス・インペリアリスは黄色の翅と変動しやすい模様が特徴です。
基本的に全体は黄色で構成されています。翅の中央に茶色の丸い斑点があります。後翅も同じ模様があります。これはどの個体も同じ特徴です。
この画像の個体は前翅の内側は茶色で縁に茶色が少し混ざります。後翅は黄色が多く、茶色の波模様があります。
茶色が多い暗い個体、黄色が多い明るい個体、赤や紫が混じるなど翅の模様は個体によって大きく異なります。
色が明るい個体と色が暗い個体は、北部と南部の両方の地域で見られます。生息地の北部地域の成虫は、色が暗い個体が少ない傾向があります。
イーグルス・インペリアリスには性的二系があります。リストにすると次のようになります。
上記の画像の個体は触角が櫛歯状になっている、茶色の部分が多いことからオスだと思います。
「Eacles」(ワシ属)はアメリカ原産の蛾で現在約24種類が確認されています。
中には木の葉に似た模様をしている種類もいます。
地域によって発生数が異なります。北部では1年に1回発生する一化性です。
南部では1年に2 – 3回発生する多化性です。
ヨーロッパ、北アフリカ、ロシア、中央アジア、チベット、そして北アメリカの北部に生息しています。 主にヨーロッパ、ユーラシア大陸北部に生息しています。
落葉樹林、道路、庭園などに生息しています。
ガンソアマヒトリは夜間に活動します。光に惹かれる性質を持ち、光源の周囲を渦を描くように飛びまわる走光性を持ちます。
摂食するのかは不明です。
翅を開張すると3.5 – 4.5cm前後になります。
成熟した幼虫は明るい茶色または暗い灰色をしています。全身長い毛で覆われた毛虫です。
頭部はオレンジまたは黒褐色です。
食草は広食性で多種多様な植物を食べます。主にキイチゴ属、スピノサスモモ、ヘラオオバコ、ヒメシャクナゲなどです。
ガンソアマヒトリは茶色の前翅と黒と赤の後翅が特徴です。
茶色の前翅には翅の下側に2つの黒い小さな斑点があります。
後翅は内側が薄い赤で外側に向かって黒色になります。縁は赤で彩られています。また、後翅にも翅の下側に2つの黒い小さな斑点
翅の裏側は表側より全体的に薄くなります。
胴体ははっきりとした赤色で横に黒い斑点が並んでいます。頭部付近は茶色の毛で覆われています。前脚部分が赤色になっています。
ガンソアマヒトリは東アジアには生息していませんが、同属のアマヒトリ(学名:Phragmatobia amurensis)はロシア、日本、朝鮮半島などに生息しています。
どちらも非常に似た外見をしています。
アマヒトリはガンソアマヒトリの「代替種」と考えられています。代替種とは類縁種で別地方で同じ生態をしている種のことです。
アマヒトリは7 – 8月と夏ごろに見られます。また、アマヒトリは平成11年北海道でハウスメロンの害虫とされました。
ガンソアマヒトリは生息範囲が広く、ポピュラーな蛾ですが、解明されていないのか情報が少なく謎の多い蛾です。
地域によって発生数が異なります。カナダ、アメリカ北部では1年に1回発生する一化性です。
アメリカ東部では1年に2 – 3回発生する多化性です。
カナダではオンタリオ、ケベック、ニューブランズウィック、ノバスコシア、プリンスエドワード島を含む、カナダ南部に生息しています。
アメリカ合衆国ではノバスコシア州西部、ケベック州からオンタリオ州、ミネソタ州まで生息しています。南はフロリダ州、東はテキサス州までです。
主にカナダ、アメリカ東部に生息しています。
森林、原生林、落葉樹林などに生息しています。
モモイロヤママユは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
モモイロヤママユは夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。
メスは夜に揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスはフェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。オスがメスに到達すれば交尾が始まります。
メスは交尾の24時間後に産卵します。また、メスは10~30羽のグループで黄色の卵形の卵を宿主植物であるカエデの葉の裏側に産みます。
翅を開張すると3 – 5cm前後と非常に小さく、胴体も含めると人間の親指より小さいサイズです。
成熟した幼虫は黄緑色で黒と白の縞模様をしています。また節ごとに黒い小さな棘が並んでいます。頭部付近の棘は大きめです。
頭部はこげ茶色です。腹と疣足はピンク色です。
食草はアメリカハナノキ(赤いカエデ)、サトウカエデ、シルバーカエデ、トネリコバノカエデなど、主にカエデ属の植物を食べます。
幼虫は葉身全体を食べるため、幼虫のグループは木を落葉させることがあります。幸い、葉は元に戻るため、基本的に無害です。
モモイロヤママユはピンクと黄色の翅とふんわりとした体が特徴です。
基本的にピンク色と黄色で構成されていますが。色の配色が個体によって、クリーム色や白色になるなど、大きく異なる場合があります。
中央に三角形の黄色い帯模様のあるピンク色の前翅を持っています。後翅もほとんど同じ模様です。
翅の模様は個体によって大きく異なります。たとえば、ピンク色がほとんどの翅を覆うものから完全になくなるものまでさまざまなパターンがあります。
脚と触角は赤みがかったピンク色で、胴体は黄色です。
モモイロヤママユには性的二系があります。メスの触覚はシンプルな形をしていますが、オスの触角は櫛歯状になっています。また、オスの羽は丸みがありません。
モモイロヤママユは鮮やかな色の翅を持っていることから、毒があるように見えますが、毒はありません。
警告色と思える鮮やかな色を持つことで、捕食者をだまして有毒で美味しくないと思わせる防御メカニズムとして役立っているのではないかと考えられています。
また、モモイロヤママユの寿命は約2〜9か月間といわれていますが、この時間の多くは冬の間、蛹として費やされます。
モモイロヤママユは「great silk moth」(偉大なシルク蛾)ともいわれています。