ノンネマイマイ
学名:Lymantria monacha
- 分類:トモエガ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:7 - 8月
- 分布:ヨーロッパ・ユーラシア大陸
分類
ノンネマイマイはトモエガ科に属しており、ドクガ亜科に分けられています。
マイマイガ属に分けられています。
ドクガ亜科はヤナギドクガ、マイマイガなど多数存在します。
生態
1年に1回発生する一化性です。
生息域
主にヨーロッパ、ユーラシア大陸に生息しています。
日本では北海道・本州・九州・南西諸島など全国的に見られます。
森林、山地などに生息しています。
成虫
ノンネマイマイは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
ドクガ科に属していますが、成虫幼虫共に毒はありません。しかし。1齢幼虫には毒毛があり、触るとかぶれや発疹がおきます。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。
メスは夜に揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスはフェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。オスがメスに到達すれば交尾が始まります。
交尾したメスはフェロモンの放出を止めて、木の樹皮の隙間に約20 – 50個の卵を産みます。
翅を開張すると4 – 5cm前後になる、小型の蛾です。
幼虫
成熟した幼虫の体色は灰色で全身白い毛で覆われた毛虫です。背面に2列の青い突起と中央にオレンジ色の突起が並んでいます。
体長は6cm前後になります。
食草は広食性で多種多様な広葉樹を食べます。主にヨーロッパトウヒ、カラマツ、松、シラカンバ、ブナ、クヌギなどを食べます。
非常に食欲旺盛で落葉を引き起こし、ヨーロッパトウヒや松の木が死んでしまうことがあります。
ヨーロッパでは林業に大きな損害を与える、森林害虫とされています。
成虫の見た目
ノンネマイマイは白い翅と黒の斑点・縞模様が特徴です。
基本的に全体は白色で構成されています。翅には黒の斑点と複雑な縞模様があります。 この模様は個体ごとに異なり、同じ模様を持った個体はいないといわれています。
首の周りには赤い毛があります。胴体は白っぽいピンク色で黒の縦線があります。
ノンネマイマイには性的二系があります。メスの触覚はシンプルな形をしていますが、オスの触角は櫛歯状になっています。また、オスの羽は丸みがありません。
ノンネマイマイの名前の由来
ノンネマイマイの「Nonne」(ノンネ)はドイツ語で尼僧・修道女を示す言葉です。
マイマイガは漢字で書くと「舞々蛾」になります。飛んでいる姿がひらひらと舞っているように見える蛾と言う意味で付けられました。
また、英名で「nun moth」(修道女蛾)と呼ばれています。
修道女(シスター)のような配色と美しさ、ひらひらと舞う姿からこのような名前がつけられたのかもしれません。
まとめ
ドクガ亜科の成虫はオスとメスの見た目・模様が大きく異なっているものもいますが、ノンネマイマイはオスとメスで大きな違いは特にありません。