アメリカシロヒトリは北アメリカ原産の蛾ですが、第二次世界大戦後の貿易による物資に付いて渡来し、世界中に生息範囲を急速に広げました。
幼虫の習性によって、植物に甚大な被害を与えることで害虫として扱われています。その習性は次のようになります。
孵化した幼虫は糸を吐いて巣を作ります、巣の中で約10日間集団で葉を食べ、葉全体を食べると分散します。
分散した後、そのまま放置すると周囲の樹木まで被害が及びます。
枝や樹木全体が落葉することがあります。大量発生すると辺りの樹木を丸坊主にすることがあります。
繁殖力が非常に強く、メスは卵を約200~1000個産み、約1週間で孵化します。
また、メスは産卵後新しく産まれた卵を腹部の毛で覆うことによって卵を保護します。
幼虫自身も防御行動をとります。例えば、仲間と一緒に揺れたりけいれんしたり、生き物が嫌う匂いを出したりします。
日本では1970年代から1980年代にかけて大発生しました。また、糞によって樹木の周辺が汚れる被害もあります。
現在でもアメリカシロヒトリを駆除する薬剤散布が全国各地で行われています。また、幼虫が分散する前に巣ごと枝を切り落として駆除する方法もあります。
鳥や寄生バチなどの捕食者によって、大規模な発生は減ったとされています。