サザン・フランネル・モス
学名:Megalopyge opercularis
- 分類:メガロピギア科
- 前翅長:1 – 2cm前後
- 時期:5 - 10月
- 分布:アメリカ合衆国南東部・メキシコ
分類
サザン・フランネル・モスはメガロピギア科(Megalopygidae)に属しており、メガロピージ属(Megalopyge)に分けられています。
メガロピギア科は北アメリカ大陸と新熱帯区などに生息しているガです。
※本種は和名が名づけられていません。本記事では学名を和訳した通称で紹介していきます。
生態
1年に2 – 3回発生する多化性です。時期は5 – 10月ですが、一部の地域では1年中見られるそうです。
生息域
ニュージャージー州、フロリダ州、バージニア州、アーカンソー州、テキサス州などの主にアメリカ合衆国南東部に生息しています。
また、メキシコや中央アメリカの一部にも生息しています。
落葉樹林、公園、庭園などに生息しています。
成虫
サザン・フランネル・モスは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動します。
夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。寿命は約5 – 7日です。
交尾した後にメスは宿主植物の葉に卵を産み付けます。
翅を開張すると2.4 – 3.5cm前後になる、小型の蛾です。
幼虫
成熟した幼虫の画像はこちらです。
成熟した幼虫の体色は白色や茶色、灰色など様々な色の個体がいます。体が長毛で覆われているのが特徴で毛皮ともいわれています。しかし、腹側には毛が一切ありません。
幼虫は成長するごとに毛むくじゃらになっていきます。動き回るときにまたは、摂食時に頭が露出する時があります。
食草は広食性で多種多様の植物を食べます。主にオーク、ニレ、ワイルドプラム、バラなどの園芸植物を食べます。
成虫の見た目
サザン・フランネル・モスはクリーム色の翅と太い脚が特徴です。
基本的に全体はクリーム色で構成されています。 このクリーム色の翅に茶色の模様が混じります。翅脈は白色で翅全体に走っています。
また、脚が太く毛深いのが特徴です。脚の内側は白色で外側は黒色になっています。
胴体はクリーム色です。
サザン・フランネル・モスには性的二系があります。
メスの触覚はシンプルな形をしていて、短く糸のように見えます。また、体はオスよりメスの方が大きいです。オスの触覚はメスに比べて大きめになっています。また、オスの方が黒い模様が多いようです。
猛毒を持つ蛾
サザン・フランネル・モスは幼虫・成虫ともに「puss」(子猫)と称されるほどかわいらしい見た目をしていますが、幼虫・成虫ともに猛毒の棘を持っています。
体に触ると激痛が走り、以下のような症状が現れます。
- 腫れ
- 発疹
- 発熱
- 水ぶくれ
- 吐き気
- 嘔吐
- リンパ節炎
- 頭痛
- 腹痛
- 胸の痛み
- 低血圧
- しびれ
- 痙攣
最悪の場合、呼吸困難などの重篤症状に襲われ死亡する可能性があります。このように触ると死亡する可能性があるので、絶対に触ってはいけません。
応急処置として、まず棘を粘着テープなどで取り除きます。残った毒液を水や石鹸で取り除きます。アイスパックや重曹などで痛みを軽減させて、病院にいくのが最善といわれてます。
北アメリカ大陸で最も強い毒を持つ蛾といわれています。また、猛毒の棘の成分は詳しく解明されていません。
このように猛毒の棘を持っていますが、まだ毛が無い卵や若い幼虫、繭の状態の時に一部のトカゲやハエなどの捕食者に襲われるそうです。
まとめ
幼虫は多くの葉を食べるため、木を枯れさせることもあります。