ハイパーコンプ・スクリボニア

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ハイパーコンプ・スクリボニア

学名:Hypercompe scribonia

今回は白豹蛾、ハイパーコンプ・スクリボニアについて紹介していきます
シロヒトリ

分類

ハイパーコンプ・スクリボニアはトモエガ科(Erebidae)に属しており、ヒトリガ亜科(Arctiidae)に分けられています。

ヒトリガ亜科のハイパーコンプ属(Hypercompe)に分けられています。

Nieukerken et al. (2011)に従い、ヒトリガ科とドクガ科はトモエガ科に含まれるようになりました。

そのため、アメリカシロヒトリなどのヒトリガ科は、トモエガ科ヒトリガ亜科と亜科として再分類されました。

※本種は和名が名づけられていません。本記事では学名を和訳した通称で紹介していきます。

生態

地域によって発生数は異なります。北部では1回発生する一化性で、南部では2回発生する二化性です。

生息域

ニューイングランド地方、フロリダ州、ミシガン州、アーカンソー州、テキサス州などの主にアメリカ合衆国南東部に生息しています。

また、カナダのオンタリオ州などの北部、メキシコやパナマなどの南部にも生息しています。

森林、公園、草原などに生息しています。

主にアメリカ合衆国南東部に生息しているガなんだね
イモチャン
幼虫のまま越冬します
シロヒトリ

成虫

ハイパーコンプ・スクリボニアは摂食するかは不明です。

夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。また、オスは光に惹かれる性質があります。

交尾中、オスの翅がメスの体の大部分を覆います。これにより、メスの翅の鱗粉が失われ、飛行に悪影響を及ぼすことがあります。交尾後のメスは翅の後ろ側の部分が透明になります

ハイパーコンプ・スクリボニアの交尾は非常に長く、24時間以上かかります。

交尾中はほとんど動かないままですが、場所から場所に移動して体温調節し、暑すぎると影のある場所に行き、寒すぎると日光に当たる場所に移動します。

翅を開張すると6 – 9cm前後になる、中型の蛾です。

卵は光沢のある灰色です
シロヒトリ

幼虫

ハイパーコンプ・スクリボニアの幼虫

成熟した幼虫の体色は黒と赤の縞模様になっています。体は光沢のある黒い剛毛で覆われています。しかし、腹側には毛が一切ありません

多くの毛虫と異なり、毛に毒はありません。しかし、体内に毒があると考えられています。

触ると腹側を守るために体をボールのように丸めます。

食草は広食性で多種多様の植物を食べます。主にオオバコ、クワ、バナナ、レタス、柑橘類などの植物を食べます。

蛹は黒色だよ!
イモチャン

成虫の見た目

黒色で中心が白の斑点の個体、交尾後なのか翅の後側の鱗粉が落ちて、透明になっている。
規則的な青黒色の斑点の個体

ハイパーコンプ・スクリボニアは白色の翅と豹のような斑点が特徴です。

基本的に全体は白色で構成されています。 この白色の翅に規則的な青黒色の斑点が混じります。しかし斑点は、黒色で中心が白の斑点など個体差があります。

また、脚は白色と黒色で構成されています。

ハイパーコンプ・スクリボニアには性的二系があります。 オスの方が体が大きく、メスの方がオスより体が小さいです。

モノトーンの色合いと斑点がクールだね!
イモチャン
英名では「giant leopard moth」(巨大な豹蛾)と呼ばれています
シロヒトリ

ハイパーコンプ・スクリボニアの防御機能

ハイパーコンプ・スクリボニアは全体的にモノトーンの色合いですが、胴体の色は非常に派手で毒々しい見た目をしています。

胴体はオレンジ色で光沢のある紺色の模様があります。

成虫は捕食者に脅かされたときに「死んだふり」をし、腹部を丸めて明るい派手な色の胴体を見せます。これは警告色を見せることで捕食者に捕食されないようにする行動であると考えられています。

また、化学的防御として、黄色の液体を放出します。これには苦みがあるそうです。

死んだふりをするってすごいね
イモチャン
翅を閉じたときと開いた時のギャップが激しいガです
シロヒトリ

まとめ

今までの記事で紹介したヒトリガ科とドクガ科をトモエガ科に修正、統合しました。

2011年と比較的最近に再分類されたため、まだまだ浸透していないかもしれませんが、このブログでは今後ヒトリガ科とドクガ科はトモエガ科と示すことにします。

モノトーンの色合いが好きです
シロヒトリ
次回はアメリカシロヒトリについて紹介するよ!
イモチャン

白氷蛾

シロヒトリです。2019年から切り絵作家として活動しています。 昆虫や切り絵や和柄などが好きな蛾です。