オオオナガヤママユ
学名:Argema mittrei
- 分類:ヤママユガ科
- 前翅長:10cm前後
- 時期:不明
- 分布:マダガスカル島
生態
1年に何回発生するかは不明です。
生息域
マダガスカル島にのみ生息しています。 マダガスカル島の固有種です。
近年は生息地の破壊により野生では絶滅が危惧されています。しかし、飼育下で繁殖されています。
熱帯雨林に生息しています。
成虫
オオオナガヤママユは世界で最も美しく、大きな蛾と呼ばれてます。
その大きさは翅を開張すると20cmになります。
また、尾状突起が15cmを越えます。尾状突起も加えると、30cm以上にもなる巨大な蛾です。そのため、世界最大のシルク蛾といわれています。
オオオナガヤママユは口吻自体が退化して摂食せず、幼虫時代に蓄積された栄養だけで活動する。そのため、寿命は4 – 5日と短い。
幼虫
成熟した幼虫は体色が緑色で、全体的に角ばった姿が特徴的です。 節ごとに黄色の縦線が走っています。
頭部は茶色です。
食草はコミカンソウ科、フトモモ科、ウルシ科の植物を食べます。
成虫の見た目
オオオナガヤママユは黄色または黄緑色の翅と尾状突起が美しい蛾です。
翅の地色は黄色または黄緑色で、前翅後翅ともに大きな目玉模様があります。目玉模様は中心から黒、黄色、青、赤、黒の順番で複雑な構造をしています。
前翅の先端が鎌状に曲がっていて、褐色です。翅の縁は前翅後翅ともに黒色です。
尾状突起は褐色で先端部分は黄色です。体は黄色で触角は櫛歯状になっています。
また、オオオナガヤママユの右にある白い物体は繭で雨水などで、水が溜まらないように点々と穴が開いています。
マダガスカルとオオオナガヤママユ
オオオナガヤママユはマダガスカルの国立公園「Andasibe-Mantadia National Park」(アンダジブ – マンタディア国立公園)で捕獲され、繁殖に成功したようです。そのため、アンダジブ – マンタディア国立公園では姿が見られます。
また、オオオナガヤママユはマダガスカルの通貨「アリアリ」(記号:Ar)の旧1000アリアリ紙幣に載っていました。
マダガスカル島は孤立した状態が長く保たれたため、島内の生態系を構成する各生物種が独特の進化を遂げ、ユニークな生態系を築いています。
また、現在でも野生生物種の90%以上が固有種という、マダガスカル島は生物多様性にとって重要な場所です。
まとめ
オオオナガヤママユの英名は「comet moth」(彗星蛾)と「Madagascan moon moth」(マダガスカル月蛾)と呼ばれています。