アオスジアゲハ

学名:Graphium sarpedon
- 分類:アゲハチョウ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:5 - 10月
- 分布:東アジア・東南アジア

生態
5 – 10月に見られ、年に2 – 4回発生する多化性です。
生息域
日本、中国、インド、ベトナム、マレーシアなどの主に東・東南アジアに生息しています。
日本では本州、四国、九州、沖縄など北海道以外の場所に生息しています。
また、アオスジアゲハは15の亜種に分かれていて、日本に生息しているのは「G. s. nipponum」です。
都市周辺でもよく見られ、公園、街路樹、森林地帯に生息しています。


成虫
アオスジアゲハは日中に活動し、様々な花に集まり、吸蜜します。
翅を開張すると6 – 7cm前後になります。
強力な飛び方をし、敏捷で飛翔力が高く、樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回っていることが多いです。そのため、捕まえづらい蝶です。

幼虫
完全に成長した幼虫は、体色が緑色で、薄い黄色の横縞があります。各胸部と肛門部に短い棘が付きます。
食草はクスノキ、タブノキなどのクスノキ科の植物を食べます。

成虫の見た目


アオスジアゲハは和名通り、青い帯のような模様が特徴的です。この帯には鱗粉がなく、鮮やかな青色で透き通っています。
翅は黒色の下地で、青い帯が前翅と後翅を貫いたような模様をしています。後翅には縁に青い斑点があります。
翅の裏側は表側とそんなに変わりませんが、体の内側と縁に赤い斑点が混ざります。
翅の模様はオスメスともによく似ているため、性別は生殖器で判断できます。


オスのフィルター給餌
オスは初夏から夏にかけて湿った砂や水辺を訪れ、生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。
アオスジアゲハのオスは「フィルター給餌」技術を持っています。
まず、口吻を使用して、ナトリウムや他のミネラルを抽出する水を絶えず吸い上げます。オスは絶えず体から水を汲み上げ、余剰分を肛門から排出し、それを使用して地面からさらにミネラルを溶解し、再吸収します。
地面の水を吸うときに静止し、アゲハチョウ科では珍しく翅を閉じて止まります。そのため、給水中は捕まえやすいです。
オスは水辺で集合体を形成します。集合体のほとんどの蝶が同じ方向に向いていることが特徴的です。その姿は小さな帆船が並んでいるように見えます。


まとめ
アオスジアゲハはその見た目から、通称「blue triangle」(青い三角形)と呼ばれています。
また、アオスジアゲハ属は見た目が美しい蝶が多く、コレクターに人気の蝶です。

