クジャクチョウ

学名:Inachis io
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:4 - 10月
- 分布:ユーラシア大陸の温帯・亜寒帯域

生態
4 – 10月に見られ、年に2回発生する多化性です。
生息域
ヨーロッパから中央アジア、中国、朝鮮半島、日本、シベリアまでの主にユーラシア大陸に生息しています。
日本では本州、北海道の場所に生息しています。
森林地帯や草原、山地に生息しています。


成虫
クジャクチョウは日中に活動し、アザミなどの様々な花に集まり、吸蜜します。また、樹液や腐った果物の汁なども吸います。
翅を開張すると5 – 6cm前後になります。
冬も成虫で越冬し、春になると活動します。
本州では標高の高い山地で見られますが、東北地方や北海道では平地でも見られるようです。

幼虫
幼虫は体色が黒色で、節ごとに黒い棘があります。
小さな白い斑点が全身を覆っています。頭部は黒色で疣足は茶色です。
食草はイラクサ、エゾイラクサなどのイラ科、ホップなどのクワ科、ハルニレなどのニレ科の植物を食べます。

成虫の見た目

クジャクチョウは和名通り、孔雀の飾り羽のような模様が特徴的です。
翅の下地は赤褐色で前翅後翅の大きな目玉模様が目立ちます。
目玉模様は水色の斑点を含んだ黒い大きな斑紋で、その周囲を黄白色の環が囲んでいます。
この目玉模様は鳥などの捕食者から身を守る効果があると考えられています。





芸者と謳われた蝶
クジャクチョウは3つの亜種に分かれていて、日本に生息しているのは「I. i. geisha」です。
この「geisha」は鮮やかな着物を着飾った芸者に由来しています。
英名でも「peacock」(孔雀)と呼ばれています。
また、クジャクチョウの羽の「目」が「虹色の星のように不思議なほど輝いている」と言われるぐらい、愛されている蝶です。


まとめ
クジャクチョウの属名は「Inachis」といいます。
これはギリシャ神話に登場する、イーナコス河の河神「イナコス」に由来しています。
イナコスはギリシャ神話の中でも古代の神です。

