ルリツヤタテハ
学名:Myscelia ethusa
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:一年中
- 分布:中央アメリカ
分類
ルリツヤタテハはタテハチョウ科に属しており、その中のカバタテハ亜科に分けられていてます。
カバタテハ亜科のルリツヤタテハ属に分けられています。
ルリツヤタテハ属はアカモンルリツヤタテハ・シロモンルリツヤタテハなど多数存在します。
生態
1年に発生を繰り返す、多化性です。
生息域
コロンビア北部から中央アメリカを経てメキシコまでの主に中央アメリカに生息しています。アメリカのテキサス州のリオ・グランデ川でも見られます。
森林、熱帯雨林、谷などに生息しています。
成虫
ルリツヤタテハは日中に活動し、腐った果物の汁を吸います。
翅を開張すると6 – 7cm前後になる、中型の蝶です。
幼虫
成熟した幼虫の体色は緑色で、体中に小さな白い斑点があります。背中に枝分かれした黒い棘が生えていて、 棘の根元に黄色の斑点があります。
頭部は黒色で、二対の枝分かれした大きな黒い角があります。
食草はトウダイグサなどのトウダイグサ科の植物を食べます。
成虫の見た目
ルリツヤタテハは美しい瑠璃色の縞模様が特徴的です。瑠璃色には個体差があり、薄い個体と濃い個体があります。
表側の翅の下地は黒色で瑠璃色の縞模様があり、前翅の先端部には白い斑点があります。翅の外縁は他のタテハチョウ科と同様に小さな凹凸があります。
翅の裏側の模様は表側と大きく異なります。
翅の裏側は樹皮や木の幹にそっくりで、翅を閉じると樹皮や木の幹にカモフラージュします。
ルリツヤタテハ属とは
ルリツヤタテハ属の蝶は、アメリカ南部から南アメリカにかけて生息しており、約10種類ほどが確認されています。
属名の「Myscelia」(ミッセリア)はスロバキア語です。残念ながら、日本語に翻訳しても言葉の意味は分かりませんでした。
スロバキアは中央ヨーロッパの共和制国家です。首都はブラチスラヴァで、北西にチェコ、北にポーランド、東にウクライナ、南にハンガリー、南西にオーストリアと隣接している国です。
属名を名付けた人物はEdward Doubleday(エドワード・ダブルデイ)といい、主に鱗翅目に興味を持っていたヨーロッパの昆虫学者です。
小種名の「ethusa」(エトゥサ)はマラヤーナム語です。こちらも残念ながら、日本語に翻訳しても言葉の意味は分かりませんでした。
マラヤーナム語は南インドのケーララ州などで話される言語です。
小種名を名付けた人物はLouis Michel François Doyère(ルイ・ミシェル・フランソワ・ドイエール)といい、フランスの動物学者および農学者でした。
生息地がアメリカ南部から南アメリカの森林や谷に限定されているせいか、ルリツヤタテハやその属の仲間の情報が非常に少なく謎の多い蝶です。
まとめ
ルリツヤタテハは英名では「Mexican bluewing」(メキシコの青い翼)または「blue wing」(青い翼)といいます。