ミドリタテハ

学名:Siproeta stelenes
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:4cm前後
- 時期:一年中
- 分布:中央アメリカ・南アメリカ北部

分類
ミドリタテハはタテハチョウ科に属しており、その中のタテハチョウ亜科に分けられていてます。
タテハチョウ亜科のシロオビタテハ属に分けられています。
タテハチョウ亜科はリュウキュウムラサキ・ルリタテハなど多数存在します。
生態
1年で2 – 3回発生する多化性です。
生息域
アメリカ合衆国ではテキサス南部とフロリダ州の先端まで、メキシコ、キューバ、グアテマラ、コスタリカなど主に中央アメリカに生息しています。
森林、熱帯雨林、果樹園、川岸、庭園などに生息しています。


成虫
ミドリタテハは日中に活動し、花の蜜や糞から汁を吸います。また、果樹園を訪れて腐った果物を食べます。
夜になると低木や葉の裏などのねぐらに帰ります。
オスは湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。
メスは一定の範囲に沿って前後にパトロールする傾向があり、ツルニチソウ科の植物に卵を産み付けます。
翅を開張すると8 – 10cm前後になる、中型の蝶です。

幼虫
成熟した幼虫の黒色で、背面に二対の赤い棘が節ごとにあります。 体の側面には黒い枝分かれした棘があります。疣足は赤色です。
頭部は黒色で成虫の触覚に似た二対の角が生えています。
食草はルエリアなどのキツネノマゴ科、ヒリュウシダなどのシシガシラ科の植物を食べます。

成虫の見た目

ミドリタテハはマラカイトのような美しい緑色の模様が特徴的です。
表側の翅の下地は黒色で緑色の斑点が規則的に並んでいます。前翅の縁に小さな黄緑色の斑点があります。後翅は内側は緑色で縁に沿って緑色の斑点が点々と並んでいます。
翅の裏側の下地は茶色で黄緑色の斑点があります。 色以外表側の模様とあまり変わりません。
オスメスともに翅の模様に差はありません。


ミドリタテハとアサギドクチョウ
ミドリタテハはアサギドクチョウ(学名:Philaethria dido)という毒蝶に擬態しているのではと考えられています。
今回画像が用意できなくて、見せられないのが残念ですが、アサギドクチョウの学名を検索すれば画像が出てきますのでミドリタテハと見比べて見てみてください。
見比べてみるとミドリタテハとアサギドクチョウは翅の形状以外模様も色もそっくりです。
ミドリタテハは小さな凹凸のある翅が特徴で、アサギドクチョウはミドリタテハより細長く、全体的に丸みを帯びた翅をしています。
生息範囲も中央アメリカ・南アメリカと、2種とも被っています。
ミドリタテハは毒を持たないので擬態しているのであれば、アサギドクチョウにベイツ型擬態をしていると言えます。


まとめ
ミドリタテハは英名では「malachite」(マラカイト)と呼ばれています。
ミドリタテハかアサギドクチョウか分からないときは翅の形状で区別できます。

