ツマジロスカシマダラ
学名:Greta oto
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:2 – 3cm前後
- 時期:一年中
- 分布:中央アメリカ・南アメリカ
生態
季節を問わず、普通に見られる種です。熱帯雨林の熱帯条件で発生します。
生息域
中央アメリカから南アメリカからチリまでの南端から最も一般的に見られ、北はメキシコやテキサスまでの中南米諸国(新熱帯区)に生息しています。
熱帯雨林などに生息しています。
成虫
ツマジロスカシマダラは日中に活動し、ランタナまたはキク科およびボラ科の花に集まり、吸蜜する。
また、鳥の糞を食べ、後にタンパク質に変換されるアミノ酸を吸収します。
オスはピロリジジンアルカロイド(Pyrrolizidine Alkaloids)を含むキク科の花の蜜を吸蜜するため、体に毒を持っています。
翅を開張すると5 – 6cm前後になる。
幼虫
幼虫の体色は薄い透明がかった緑色で、体の側面に黄色のラインが2本走っています。目は黒色です。
食草はケストラムなどのナス科の植物を食べる。これらの有毒植物を食べることによって、体に毒を蓄えます。
成虫の見た目
ツマジロスカシマダラはその名の通り、翅が透明で透けています。
赤またはオレンジの不透明で暗い茶色の境界線があり、透明な羽を持っています。前翅は白い大きな斑点が目立ちます。
この蝶はその透明な翅を利用して、飛行中に背景にカモフラージュすることにより、捕食者から隠れます。
チョウ目では、翅の透明性は珍しい特性です。
独特な生態
ツマジロスカシマダラは見た目も独特ですが、生態も独特な蝶です。
渡り
まず、ツマジロスカシマダラは渡りを行う蝶です。時速13km/hの速度で1日あたり19kmまで移動します。
標高を変更するために移動し、この移動により、さまざまな地理的領域で生息密度の違いが生じます。
繁殖
ツマジロスカシマダラは一夫多妻で交尾し、オスは繁殖期ごとに1匹以上の交尾相手を取得しようとします。
メスを引き付けるために、オスの蝶は熱帯雨林の日陰のエリアに集まり、仲間と競う大規模な集まりを形成します。
オスの後翅の前縁にはヘアペンシルと呼ばれるフェロモンを放出する毛束を持ちます。オスは翅を広げて、ヘアペンシルを立ち上げてフェロモンを出し、メスを引き付けます。このフェロモンの成分はピロリジジンアルカロイドが含まれています。
メスは交尾の際にオスからこのアルカロイドを受け取ります。これによってメスも体内に毒を持つことが出来ます。
まとめ
ツマジロスカシマダラはまず見た目に惹かれる蝶ですが、生態も独特で調べていて、楽しい蝶です。
また、トンボマダラ属は他にもユニークな見た目をしている蝶が多いので、いつか紹介したいです。