サザナミムラサキ
学名:Hypolimnas salmacis
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:4 – 5cm前後
- 時期:不明
- 分布:サブサハラアフリカ
分類
サザナミムラサキはタテハチョウ科に属しており、その中のタテハチョウ亜科に分けられていてます。タテハチョウ亜科のメスアカムラサキ属に分けられています。
メスアカムラサキ属は4つのグループに分けられています。サザナミムラサキはサザナミムラサキ群に属しています。
メスアカムラサキ属はリュウキュウムラサキ・アリメナムラサキなど多数存在します。
生態
1年を通じて何回発生するかは不明です。
生息域
シエラレオネからスーダン、エチオピアまでのサブサハラアフリカのほとんどの地域に生息しています。また、コンゴ共和国、ウガンダ、タンザニアにも生息しているようです。
サブサハラアフリカとはアフリカのサハラ砂漠より南の地域です。サハラ以南のアフリカともいいます。
二次林、川、サバンナに生息しています。
成虫
サザナミムラサキは日中に活動し、チークなどの様々な花から吸蜜します。
オスは湿った砂や水辺で生殖のために必須なミネラルを補うために吸水します。
また、オスは茂みなどで翅を開いた状態で止まり、道を通過するメスを待ちます。
翅を開張すると8 – 9cm前後になる、中型の蝶です。
幼虫
成熟した幼虫の体色は黒色で、節ごとにオレンジ色の枝分かれした棘があります。疣足はオレンジ色です。
頭部はオレンジ色で、二対の黒い角が生えています。
食草は「Urera trinervis」などのイラクサ科の植物を食べます。
成虫の見た目
サザナミムラサキは黒色の翅と青と白または紫色のグラデーションが特徴的です。
翅の表側は黒色で、翅全体に黒い細い翅脈が走っています。前翅は黒の翅に青と白または紫色のグラデーションの模様があります。また、前翅の端部分に小さな白い斑点が2つあります。後翅は前翅と同じ模様をしています。縁は黒に小さな白い斑点が並んでいます。
翅の裏側は模様は表側と変わりませんが、色が大きく異なります。黒色の部分が全て茶色になり、青色のグラデーションもありません。唯一、前翅の中央の外側に青色の部分があります。
上記の特徴は全てオスの特徴です。
メスはオスと同じ模様の個体と全体が茶色の個体がいます。
メスアカムラサキ属のメスの生態
メスアカムラサキ属の蝶は「egg fly」(エッグフライ)として知られています。
これは寄生バチやアリなどの捕食者による攻撃から守るために、卵を守る習性があるからです。
メスアカムラサキ属の蝶のメスは卵の世話する
まず宿主植物の葉の裏側に卵を産みます。メスは数日間、卵をつけた葉に留まり、卵を守ります。卵は約4日で孵化します。
卵を守ったメスはそのまま死んでしまうそうです。
サザナミムラサキがこの習性を持っているかは不明ですが、この習性をおそらくは持っていると思われます。
まとめ
サザナミムラサキの青色のグラデーションの部分は虹色に見えることがあるようです。これは鱗の光の屈折によって引き起こされる構造色によるものと考えられていますが、詳しく解明されていません。
そのため、研究が続けられている蝶です。