ケアンズトリバネアゲハ

学名:Ornithoptera euphorion
- 分類:アゲハチョウ科
- 前翅長:7 – 8cm前後
- 時期:一年中
- 分布:北東オーストラリア

生態
季節を問わず、見られる種です。夏と秋に多く見られます。
生息域
ケアンズ、マウント・ウェッブ国立公園、クックタウン、マッカイなどのオーストラリアのクイーンズランド州に生息しています。
北東オーストラリアに生息しています。
川岸の森林を含む、クイーンズランド州の湿潤熱帯地域の熱帯雨林に生息しています。


成虫
ケアンズトリバネアゲハは日中に活動し、ランタナ、ハイビスカスなどの地生花に集まり、吸蜜します。これらの植物にとって、この蝶は重要な花粉媒介者です。
オスは時折、小鳥などの他の蜜食動物と花を競い合い、積極的に飛んで鳥を追い払います。
強力な飛翔力を有しており、鳥にも見紛う飛び方をしています。常に太陽光の当たる場所を求めて飛び回っているため、成虫を見る機会は少ないです。
オスは翅を開張すると12cm前後ですが、メスは15cm前後とメスの方が大きいです。

幼虫
幼虫の体色は黒またはこげ茶色で、背中には黒とオレンジ色の突起があります。体の真ん中の突起だけ黄色になっています。
食草はウマノスズクサ科や「Aristolochia indica」などのアリストロキア科の植物を食べます。
ウマノスズクサ科植物にはアリストロキア酸が含まれており、成虫になった後も毒として機能しています。

成虫の見た目

オス
翅の表側は主に黒の上部翅にエメラルドグリーンが目立ちます。
翅の裏側は前翅は黒の下地でエメラルドグリーンの斑点があります。後翅は黒の翅脈が目立ち、エメラルドグリーンと黄色の混じった模様が特徴的です。胸には黒に赤が混じっています。腹は黄色で黒の小さい斑点が並んでいます。

メス
翅の表側は主に黒の上部翅に白い斑点が目立ちます。
翅の裏側は前翅は黒の下地で白の斑点があります。後翅は黄色と白が混じった模様が特徴的です。胸には黒に赤が混じっています。
腹は黒が混じった黄色で黒の小さい斑点が並んでいます。


トリバネアゲハとは
トリバネアゲハは通称「Birdwings」(バードウィング)と呼ばれています。トリバネアゲハはその翅の大きさ、角ばった翼、鳥のような飛行にちなんで名付けられました。
トリバネアゲハは現在36種が記載されていますが、これは研究者や学者によって議論されていて、新たな属に分けたりまとめたりしていて、いまだに不安定です
大きく属として分けると次のようになります。
- トリバネアゲハ属(Ornithoptera) ケアンズトリバネアゲハなど
- キシタアゲハ属(Troides) ヘレナキシタアゲハなど
- アカエリトリバネアゲハ属(Trogonoptera) アカエリトリバネアゲハなど
この中でもトリバネアゲハ属はオスとメスで見た目と大きさが特に違います。
トリバネアゲハ属はどの種もメスがオスより開翅長で約1.5倍程大きく、色はオスがエメラルドグリーンなどの派手な翅を持つのに対して、メスの翅は黒と白で地味な印象を受けます。
このような性別によって、個体の現象が異なることを性的二形と言います。


まとめ
ケアンズトリバネアゲハはオーストラリアで最大の大きさをもつ蝶です。
ランタナ、ハイビスカスなどを植えている庭園に訪れることがあるようです。鳥と称される蝶はさぞかしインパクトがあるでしょう。

