スンダハレギチョウ
学名:Cethosia penthesilea
- 分類:タテハチョウ科
- 前翅長:3 – 4cm前後
- 時期:一年中
- 分布:東南アジア
生態
1年を通して発生する多化性です。
生息域
インド、ベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポール、オーストラリア北部などの主に東南アジアに生息しています。
森林、熱帯雨林などに生息しています。
成虫
スンダハレギチョウは日中に活動し、様々な花から吸蜜します。
幼虫が毒のあるトケイソウ科を食べるので、毒を体内に蓄えていて、鳥などに捕食されるのを防いでいます。
幼虫・成虫の派手な模様は自分に毒を持っていることを知らせる、警戒色です。
翅を開張すると6 – 7cm前後になる、中型の蝶です。
幼虫
成熟した幼虫の黒色で、体の節ごとオレンジの縞模様と黒い棘があります。また、体の中央の白い帯模様が特徴です。
頭部と疣足は黒色です。
食草はアデニア・ヘテロフィアなどのトケイソウ科の植物を食べます。
トケイソウ科植物にはアルカロイドが含まれており、成虫になった後も毒として機能しています。
成虫の見た目
スンダハレギチョウは表側と裏側で模様が大きく異なることが特徴的です。
表側はカバマダラに似た姿をしています。前翅は黒い縁取りで白い帯模様があります。体の内側がオレンジ色をしています。後翅は体の内側と縁に黒い小さな斑点があります。
裏側は「晴れ着」と称されるほど、鮮やかな模様をしています。黒、オレンジ色をベースに水色、ピンク、白が混じりあった複雑な模様をしています。
また、縁の黒と白のレース模様が特徴です。
同属のハレギチョウ(学名:Cethosia hypsea)によく似ていますが、表側の後翅の黒い小さな斑点がはっきりしているのがスンダハレギチョウです。
スンダハレギチョウの小種名
スンダハレギチョウの小種名は「penthesilea」(ペンテシレイア)といいます。
これはギリシャ神話のアマゾーンの女王ペンテシレイアから来ています。
ペンテシレイアはオリュンポス十二神の一柱、戦の神「アレース」と、アマゾーン族の女王「オトレーレー」の娘です。
ペンテシレイアはギリシャ神話のトロイア戦争の際にトロイア軍側について戦いました。誇り高く、美しい女性でしたが、アキレウスと一対一で戦い、敗れました。
アキレウスは死に際のペンテシレイアの美しさを見て恋に落ち、彼女を殺したことを嘆いたといわれています。
スンダハレギチョウがレース模様をしていることと、翅の裏側の模様の鮮やかさから、誇り高く美しい女性であったペンテシレイアの名前が使われたのかもしれません。
まとめ
ハレギチョウ属は裏と表の鮮やかな模様が特徴です。また、産地によって微妙に姿が違います。